第38話 ヘアースタイルとかメイクとか

 小学生のころ、お正月に母の実家に行った時、叔母に言われました。


「スミレちゃんの髪型はドイツ軍のヘルメットみたい」


 当時の小学生の女子の多くはマッシュルームカット。私は、散髪屋さんでカットしてもらっていたのですが、丸く切りそろえてもらい、キノコのかさのような髪型で、短めでした。パッチンどめで前髪を分けていたこともあったし、リンゴのついたピンを両耳の上に留めていたこともありました。男子は坊ちゃん刈りでしたね。


 そういえば大人の女性のマッシュルームカットは全体が長めで、後ろの髪は肩につくくらいで、内巻きにカールしていました。天然パーマの子は子どもでも内巻きでした。私は寝ぐせが朝ご飯を食べている間に直ってしまうほどの直毛なので、かわいく内巻きにすることはできませんでした。


 そんな私のあこがれのヘアースタイルは、浅田美代子さんのくるくるカール。髪を上だけ二つに分けて左右でくくった髪型。すごくかわいかったですね。麻丘めぐみさんの姫カットも素敵。小学館の学習雑誌に連載されていた「うわさの姫子」(おはよう姫子などいろんなタイトルがある)の主人公、姫子の髪型もこんな感じで、おそらく姫子から「姫カット」という名前が付いたと私は思っていたのですが、Wから始まるサイトでは平安貴族の姫に似た髪型が由来ということでした。


 マッシュルームカットはビートルズの髪型から広まったようですが、あれを「長髪」と言っていた当時のお父さんたちの髪型は七三だったり、ゴルゴ30だったり、北島サブちゃんヘアーだったりするわけですから、それと比べれば「長髪」には違いないですね。


 私の母の髪型はちびまる子ちゃんのお母さんのような髪型でした。夜寝る前に頭全体に太いカーラーを巻いて、網製のシャワーキャップみたいなものをかぶって寝ていました。あんなに痛そうなのに、当時の女性は涙ぐましい努力をしていたのですね。あるとき、ホットカーラーというものが登場し、巻いて寝る必要がなくなりました。くるくるドライヤーが出てきたのはもう少し後です。


 カーラーで巻いたくるくるヘアー当時、母がベースメイクをするとき、先に薄い青白いのを顔に塗り、死人かお化けみたいな顔になってから肌色のファンデをつけていました。このデスラー総統ほど青くはない青白い顔を、面白がって見ていました。


 当時、写真(特に室内でフラッシュをたいたもの)に写ったおばさんたち、異常なほど顔だけ真っ白の人が多かったのですが、この薄いブルー系のベースのせいではないかと私は思っています。そして、彼女たちのアイシャドウはブルー系でした。


 さて、高校生になるとポニーテールが流行りはじめました。みんな大きめの丸い玉が二つ付いた髪ゴムでくくっていました。カラフルな色の玉に水玉柄。私は白地に赤の水玉のを買いました。直毛なので、侍の子か浦島太郎のようです。そのあと大流行の聖子ちゃんカット。私の高校の卒業アルバムは、みんな顔の横の髪を後ろに流しています。私はピンッピンの直毛でしたから、高2の時、こっそりゆるめにパーマをかけました。校則違反ですが、日ごろおとなしい優等生をやっていたので、女性の先生に


「髪切ったの? その方がいいわね」


 と言われました。やはり、日ごろの行いは大事です。


 チェッカーズがデビューすると、フミヤのように前髪が一部だけ長い髪形が、どちらかというと不良寄りの男子に好まれていたように思います。当時はバンドをやっている子はどちらかというと「不良寄り」。本当の不良はリーゼントでした。一方でマッチとか吉川晃司のように、前髪の片方は立ち上げて、反対がわを垂らし、後ろは刈り上げ(?)の髪型が大流行。かっこよく見えました。


 バブルのころになると、ワンレン、ストレートのロングヘアが流行り、ボディコンを着てディスコへ。後ろはストレートなのに前髪がロールパンみたいにカールしていたり、工藤静香のように後ろ向きに思い切り立ち上げてカールしていたり。当時、日本人は前髪を見たらすぐわかると言われていました。私は前髪を垂らして後ろはストレートでした。リボンを結んでカチューシャみたいにしたり、わりと「ブリッ子」な髪型もしていました。


 ソバージュも流行りましたね。私、ものすごく髪が多いのにセミロングのソバージュにしてもらいました。髪がとっても多い私、岸田劉生の「麗子像」よりは若干少ないと思うのですが、おさげにすると三つ編みの片方だけ見てもが「出雲大社のしめ縄」と言われるほどの多さ。パーマで膨らむし、パーマが落ちるのも早いので、3か月くらい楽しんでからストレートに戻しちゃいました。


 バブルのころのメイクって、眉がとても太かったですよね。ピンク系のシャドウとかパール系のキラッとした感じとか、明るいショッキングピンク系の口紅とか、今とは全然違う超日常なメイクでした。


 昭和の色々、少し前だと古臭いって思っていたのですが、今はとてもかわいいと思います。あの頃自分がキラキラしていたからその思い出も一緒に求めているのでしょうか? それとも純粋にあの頃のものが素敵と思っているのでしょうか? まあ、どちらでもいいですよね。それを見ることで幸せを感じられるのですから。




近況ノートに関連の画像をアップしています。合わせてお楽しみください。


https://kakuyomu.jp/users/sumire_130/news/16817330651408618055









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