第35話 風邪をひいたら……

 先日、デジタル体温計が壊れました。新しい体温計に変えたら、まあ、検温時間の早いこと早いこと! 今は瞬間的に測れるものもあるし、長くても1分くらいで測れますが、私が子供のころは水銀系だったので、5分くらい腕を押さえてじっとしていました。


 体温を測るとき、母から「中の水銀は毒だから絶対にわらないように」と言われていたので、いつも緊張感がありました。私がまだ小さいころ、私が体温計をわってしまい、銀色の玉がころころと転がって掃除が大変だったそうです。液体だけど玉になってて、触れると小さい玉に分かれるらしいです。そんな扱いづらくて猛毒の水銀を、近所の男の子が口に入れて大変だったという話もあり、体温を測るときはいつも怖いなと思っていました。


 体温を測り終わった後は、体温計をブンブン振って水銀を低い温度の目盛りまで下げなくてはいけません。この時が一番危険なので、緊張しました。手で目盛りのある太いところを持って、銀色の細い先端のほうに遠心力がかかるように、ブン! ブン! ブン! と、振ります。(余談ですが、この独特の振り方は、歯磨き粉やマヨネーズがなくなりそうなときに応用できます。中に空気をたっぷり入れて、体温計振り! すると、あ~ら不思議、思った以上に何回も出て、最後まで無駄なく使えます。すでにご存じかもしれませんね)


 熱があると、母がオレンジ色のゴムの水枕に氷と水を入れてタオルにくるんでくれました。テレビドラマなどでは、熱を出して布団に寝ている人には、薄いベージュ色のぶよぶよした氷のうをぶらさげて、額にあてていました。我が家にはそれがなかったので「いいな~、やってみたいなあ~」と思って見ていました。しかし、アイスノンの登場は画期的でしたね。これもCMで見たわけですが、昭和にはこういう驚きの瞬間が多かったです。


 秋になると、風邪薬のCMがたくさん流れました。


 サッサッサ 風邪にワシのマークのパブロン

 タケダタケダのベンザエース「風邪は社会の迷惑です」

 くしゃみ3回ルル3錠

 咳にコックンアルペン

 タンがからんだら クララ

 頭痛薬ですが、ノーシンさんという男の人が奥様方とお話をいているCMもありました。


 今はあまり風邪薬のCMが目につかない気がするのは、録画でCMをとばしたり、動画再生をよく見たり、コロナが強烈すぎるせいかと思います。


 昔は市販の風邪薬以前に、玉子酒やネギなどの民間療法をやっていましたよね。今は風邪だけではなく、強いウイルスの登場でそうはいきませんが、薬を飲まなくても「咳、喉、鼻」を治せた時代、昭和ってとってもいい時代でしたね。




近況ノートに関連のお話と写真をあげておりますので、よろしかったらお越しください。


https://kakuyomu.jp/users/sumire_130/news/16817330648959762832






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