第5話 昭和の飲み物
昭和の飲み物……最初に浮かんできたのは瓶入りのファンタでした。グレープと、オレンジ。そういえば、ミリンダってありましたよね。ミリンダ! 何十年も使わなかったワードが出てきた時のジワッとくる感じ、たまりません。
自動販売機で買った時は自動販売機についている「栓を抜くところ」に瓶の頭を突っ込んでガコッと栓を抜いていましたね。お店で買うときはガラスの引き戸の冷蔵庫の中から出してお店のおばちゃんにお金を払います。お家で飲む時は栓抜きを使うわけですが、初めて栓抜きで栓を抜くことができた日は、少し大人になった気分でした。栓のことを王冠と呼ぶのは形が似てるからかしら? 王冠という名前は、お姫様好きの夢見る女の子だった私には心地よく響きました。
おばあちゃんの家に行くと、プラッシーがケースごと置いてありました。お米屋さんが配達してくれていたということは覚えています。調べてみると、武田薬品が売っていて、重いジュースを各家庭に運んでくれる確実な販路がお米屋さんだったみたいですね。ビタミンCをプラスして作ったから、+C、プラスシー、プラッシーになったとか。今見ると、「PLUSSY」のロゴがめちゃくちゃかわいいんですよ。もう作っていないようですが、今売りだしたら女子高生に人気が出そうです。
ラムネを飲む時、玉を瓶の中に押し込むアレ、名前が知りたくて調べたら、ネットでは「玉押し」と呼んでいました。瓶の中に閉じ込められたビー玉、出したくなりませんでしたか? 閉じ込められていて、簡単に出せない分、よりいっそう出したくなっちゃう。飲むのにも技術がいりますね。瓶の突起にうまくひっかけて飲めるようになったら、これもまた少し大人になった気分でした。
牛乳、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳(パレード?)、小さいサイズのヨーグルト飲料(マミーとかスノーラック)も瓶入りで、蓋は紙製でした。(このふたで腕時計を作ったのは私だけではないと思います)それを専用のアレで突き刺して開けるんですよね。プラスチックの棒の先にごっつい針がついたアレ。例によって名前を知りたくてググったら、蓋開け、蓋開け器、ピックという名前が出てきました。実にシンプル。この蓋開け、ひもでお店の冷蔵庫にくくりつけてあった気がします。伯母の家の冷蔵庫にもぶら下がっていました。こういう昭和の雑なアナログ感が私は懐かしくて好きです。
以前、尾道市の後藤鉱泉所という小さな飲料工場へ行きました。昔からある昭和のままの工場で、そこで作っている飲料を飲むことができます。ラムネ、サイダー、ミルクセーキ、コーヒーなど、懐かしの瓶ジュースです。私はミルクセーキを選びました。
一口含んだ時の驚き! あまりのなつかしさに、涙がちょちょぎれそう(←昭和)でした。思わず、声が出ましたから! (何を言ったかは忘れました)
子供のころ味わったけれど、記憶の彼方に行って忘れていた味です。ジワりました!
瓶を作る会社がないので、今ある瓶の分だけ作っているそうなので、どこでも売っているわけではなく、そこで飲んでそこに瓶を返さなければいけません。そういえば、瓶のジュースも牛乳も、飲んだら必ず返すのが常識で、返さないときはお金を払っていませんでしたっけ? 瓶を洗って大切に何度も使う、エコですよね。プラごみが環境問題になっている今、もう一度見直されてもいいのではと思います。
ところで、駅などにあった自動販売機(?)で、三角形のガラスの中でオレンジジュースが噴水みたいになってるアレ、覚えてる方いらっしゃいませんか? 買ってもらったことがないので、どんなものか分からないんです。バヤリースの絵がついていたような違うような……? 情報お待ちしています。
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近況ノートに後藤鉱泉所のミルクセーキの写真を載せておきますね。一枚しか載せられないので、ツイッターで、何枚かを貼り付けてツイートします。懐かしくって鼻血ブーです。
楠瀬スミレのツイッター、#はなドンで検索してみてください。
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