話したくって昭和ないからドンピシャの人いらっしゃ~い!

楠瀬スミレ

第1話 すみれちゃん

 なぜか突然、こう思ったんです。


「着せ替え人形のリカちゃんのお友達にすみれちゃんっていたような気がする」


 カクヨムで、私のことをスミレちゃんと呼んでくださる方がいて、スミレちゃんと呼ばれるたびにお姫様になったような、なんとも心地いい気持ちになるのはそのせいではないかと思いました。


 私が幼児のころは、今と違って、リカちゃんの生活はキラッキラの憧れだったのです。ママの織江はデザイナー、パパのピエールはフランス人パイロット、姉のリエはスチュワーデス。あこがれのオンパレード(←昭和)ですよね。そのお友達ですよ! 同じ名前だったら気持ちいいに決まってます。


 しか~し! 歴代お友達を調べると、いづみちゃんからはじまって、スミレちゃんはいませんでした。残念。最近のお友達はひまりちゃんとか、かれんちゃんとか、今っぽい名前です。


 でもね、すみれちゃん人形で画像をググると出てきたんですよ。リカちゃんぽい人形が! 二万五千円って、どうなの、それ。お顔汚れてて髪がぼさぼさで、はだかんぼのすみれちゃんも出てきました。ちょっとエロい感じですが胸はぺったんこ(そういえば、どこの家のおもちゃ箱にも、こんなかわいそうな感じの子が入ってました)。


 説明には、「スカーレットちゃんの妹カンナちゃんのお友達のすみれちゃんドール」って書いてあるのですが、聞いたことある~!!!!。スカーレットちゃんもカンナちゃんも! 多分幼稚園の頃の記憶です。当時住んでいたアパートの大家さんの娘さんで私より少し年上のお姉さんのアケミちゃん(仮名)が持っていたのではないかと思います。彼女は私たち幼稚園組のインフルエンサー的な存在で、リカちゃんハウスを初めて見せてもらった時の記憶は今でも残っています。おそらく、彼女が持っていたか、何らかの情報を得たのだと思います。これにて一件落着~(←昭和)! 納得できました。やっぱり、記憶のかなたにあった、あこがれのお人形の名前でした。


 記憶のかなた……そう、記憶のかなたです。私は小学校入学を機に引っ越したので、そこから友達も遊びもがらりと変わったため、スカーレットちゃんもカンナちゃんもすみれちゃんも、まったくご縁がなく、きれいに忘れていました。なのでそんなに長い間、思い出すことすらなかった情報が急によみがえるこの感覚、何とも言えなくて! すみれちゃんという糸の端っこを引っ張ったら、まあ! ほどけるわ、ほどけるわ。こんな宝箱を見つけるような感覚、誰かと共有したいと思ってエッセイを書いてみました。


 更に調べてみると、中嶋製作所が作ったお人形で、スカーレットちゃんの妹のカンナちゃんと、さゆりちゃん、すみれちゃん、アキラくんの4人がフラワー*メイトだそうです。「メイト」というのが昭和臭ただよっててたまんな~い! しかも、広告(?)のコピーが「あなたをゴキゲンにさせちゃう……フラワー*メイト」!!!!

「ゴキゲン」がカタカナなのも「○○させちゃう」という言葉遣いも昭和臭プンプンでたまんな~い!


 最後に、リカちゃんのボーイフレンドのわたる君と、カンナちゃんのボーイフレンドのアキラ君だったら、私はアキラ君の顔の方が好みです( *´艸`)ウフフ♡

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