時代

時代

木曜日にふと　気付く　つい昨日　確かそこにあったアレがない

日曜日にあれと　思う　使い古した壊れかけの　電話機は回収車の背に

慣れ親しんだストーブも　今では小さな温風器

埃を睨んだ掃除機は　オシャレで手軽なクリーナー

ああ　時代というものは　こんなに儚いものなのか

ああ　時代というものは　こんなに強固なものなのか

私が育った街並みも　人の流行りにのまれて行く

私が愛した家具たちも　時代の波には微生物のようにどうでも良いもの

ああ　これこそが時代　誰もが隣り合わせの季節風

ああ　これが人の力

ああ　これが数のちから

ああ　ああ　ああ！　私もいつか呑まれてしまう