第22話 次の学科を受けないと、またセット教習のやり直しになるので注意してください
キーンコーンカーンコーン…
石塚「織江さん、沢畠さん、高瀬さん、今回はセット教習やります。集まってください」
石塚「一巡を3人で運転し、それぞれの運転の良し悪しを次回の学科でディスカッションします」
石塚「教習が終わったからと言って、そのまま寮に帰っちゃダメです。次の学科を受けないと、またセット教習のやり直しになるので注意してください」
「石塚教官、過去に学科を受けなかった人はいたのか?」
石塚「予定表に学科が入っていないからとそのまま帰っちゃった人が過去にいました。その方は、もう一度運転からやり直したそうです」
「人は警告されても、罪を犯すのだな」
石塚「割とある話ですよ」
いつも通り、初心者マークを貼り、前後のランプのチェックを行い、1番目の沢畠が運転した。
(免許取り消しで2回目の教習のためか、運転に何の問題もない。運転とかスピードとか枠があるが、書くことがない)
沢畠「この辺に、美味しいギョウザ屋さんとかないですねー?」
石塚「U駅のXXってお店のギョウザ美味しいですよ! 他に兜あげとか…」
沢畠「へぇー」
あまりに安全運転すぎて退屈なのか、雑談が始まった。複数で運転する時は、だいたい入校式のメンバーがそろって運転することになる。慣れた人同士なら、もはや運転云々ではなくなる。
石塚「はい、ここを左に止めて下さい。次は高瀬さん、お願いします」
高瀬「よろしくお願いします」
ブロロー…
上手い。スピード調整も絶妙で好きがない。速度超過も一切なく、目視もしっかりしている。
高瀬「いやーこの教習所で孫がちょうど2段階で受けてるんですよ」
石塚「XXさんですか、こんなこともあるのですね」
これまた指摘がない運転で我の順番が回ってきた。そつなく運転して、教習所に戻ってきた。
石塚「はい、お疲れさまでした。次の学科は⑬なので、忘れずに受けてくださいね」
3人「「お疲れさまでした」」
キーンコーンカーンコーン…
石塚「はい学科⑬、危険予測ディスカッションを始めます。教本の147ページです」
いつも通りの、眠たくなるような説明が続く。
石塚「では、前回運転してもらった人で囲んで、運転のしかたについて話し合ってください」
石塚「ではこちらは…、織江さんから始めましょうか。沢畠さんと高瀬さんが意見出し合ってください」
高瀬「えっと。交差点で右折する時に、左折車の横の二輪車飛び出しを考えずに加速したところですかね」
グサリ…
沢畠「ブレーキ踏む時、直前じゃなくてちょっと前に何回か踏むと良いと思いますね」
グサグサリ…
ぐぬぬ。反論の余地はない。確かに、自分ではあまり気づかなかったが、同じ教習生としての視点では不足分があった。
「たしかにそうだな。気を付けよう」
石塚「では次、高瀬さんの運転についてディスカッションしてください」
「…」
沈黙が続く。我と沢畠が後ろに乗ってみていたが、これという悪い点がなかった。
沢畠「いやー。指摘するところないですわ」
「我も同意見だ。安全運転で申し分ない」
高瀬「まあ免許取り直し組なので」
その後、沢畠の指摘を終えて、学科が修了した。
「みんなで外を回る教習は新鮮で面白いな」
合宿免許卒業まで、あと4日
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