第21話 林ぃ。ここは交差点30メートル手前で指示だんだよなぁ?

 「ん?」


 VLを装飾をしている中川が、待合室で林教官と一緒に何かやっている。


 修了検定を今日受けるため、


 人身飲酒で35点減点の彼は、10か月で免許取り消しと3年の欠格となった。

 運転技術には自信があり、筆記は数日前まで余裕な状態であった。



 前の修了検定模擬試験で82点を知った中川は、急に勉強するようになった。


 井上「林ぃ。ここは交差点30メートル手前で指示だんだよなぁ?」


 林「この場合はその前に進路変更しないといけないから、もうちょっと前に指示器だそうか」


 井上「あーわかんねぇ!」



 中川は林教官と仲が良く、休憩の時に色々筆記の問題を聞いているようだ。

 我が後ろから少し除いて見ると、そこには手書きでびっしり埋まったノートが並んでいた。

 カラーマーカーと赤ペンで標識と規制表示がそっくり書かれている。


 沢畠「政(まさ)、すげぇ勉強してるなぁ」


「修了検定の段階で、ノートの半分が埋まっている。驚きだ」


 ニホンでいうヤンキーや猫を助けると優しく見える、というやつだ。

 普段勉強しない中川が、修了検定90点に届かないと知った後は必死に勉強している。

 もし検定が88点以下で不合格なら、卒業が2日遅れてしまう。




 12時40分、に路上運転をして戻ってきたら垢ぬけた井上の姿があった。


 「90点! あっぶねぇ! 合格したァァ!」


 前日までストレスがたまっている顔だったが、合格以降は中川は生き生きとしていた。





 合宿免許卒業まで、あと4日

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