パチスロ編

第16話「目押しの練習をしないのはどうしてだい?」

「目押しができないんですよね」


1円パチンコ勝負を終えた頃に、太一(たいち)くんは、恵那(えな)博士にもらしました。「練習すればできるよ」と博士は答えました。そこから少し話は膨らみ、世の中にはテスト勉強できる人間とできない人間がいる……なんて話になりました。中卒の太一くんは、もちろん、テスト勉強できない人間でした。


「先生が何を言っているか分からないですし、教科書に何書いているか分からないですし、テスト勉強のやりようなんてなかったですね」


太一くんの学力の低さ。博士とのパチンコ・パチスロ談義の中で徐々に、計算能力や論理的思考力は向上はしてました。博士は思います。パチスロと人生は似ている。太一くんができないと言う「目押し」も、人生だと言えます。パチスロの制御の話は省力しますが、例えば、7図柄を揃える時などは、特定のタイミングで止める必要があります。苦手意識はある人は多いですが、練習すれば必ずできるようになります。


「疑似遊技や、リールロック演出などもあるけど、基本的にパチスロのリールの速度は一定なんだよ。時速4km。人が歩いているくらいの速度だね。また、リールは4コマまで滑ることが許されているから、そのタイミングを掴むことも大事だね」


博士は、太一くんに目押しのあれこれを話します。特定の図柄をリール内に揃える時、リール内の3コマを意識しがちです。しかし、リールは4コマ滑りますので、枠上をアバウトにタイミング押しすれば、問題なく図柄を揃えることができます。その練習は、遊技している間はずっとすることができます。そのことを意識しない人が、あまりに多い。


「目押しの練習って、7を揃える時以外にもできるってことですか?」


「そうだよ。ボーナスが成立してない時は、7は揃わないけど、それでも狙ったタイミングで押せば、ちゃんと枠内に図柄は入ってくる」


パチスロをやらない人は誤解していることが多いですが、狙って押せば7が揃うのではありません。レバーを叩いた時に、抽せんが行われ、ボーナスが当たれば、7が揃う状態になるのです。当たってなければ7は揃いません。


「仮に設定6のジャグラーを座れたとして、一日中回したとして、ボーナスがペカるのは、50回とか60回ぐらい。その時に7を揃えようと四苦八苦する。でも、ボーナスが成立してないない6000Gとか、7000Gの間も目押しの練習はできる。毎ゲーム、毎ゲーム、上段バーでチェリーを狙い、DDTを意識して練習しておけば、ペカった時に大慌てしなくても大丈夫なんだよ」


パチスロは、人生と似ている。期末試験とか、テストの本番で慌てないために、予習復習をして、本番に備える。入試試験なども、過去問題をするとか、準備をすればするほど、合格が近づくでしょう。


ちなみに博士は、高校ぐらいまでの余力で、大学まで進学して、テスト勉強などはあまりしない人生でした。魔法少女のパチスロに興味を持って、パチスロを始めた時は、チェリーやスイカをこぼしまくっていました。それでも、目押しは練習すれば出来ることを覚え、今では特定日にジャグラーの設定を狙うようになりました。パチスロは、努力するほどに勝ちに近づく。博士が、パチスロが好きな理由の一つです。


「太一くん、実践に勝るものはなし。今度、末尾5の日に5スロでアイムジャグラーを並び打ちしよう」


「そうですね。目押し、覚えます」


ユニバースⅢは、5日、15日、25日の末尾5の日は5円スロット推し日です。設定6はないけど、設定4までは入っているのじゃないか?と、博士は考えます。練習するのだとしても、設定に期待できる日の方がいいですもんね。もしも、読者の方で目押しに苦手意識がある人は、5円スロットで練習するのも、良いと思いますよ。ペカってない時も、上段バー狙いで目押しの練習をする。博士と太一くんとの約束ですよ。

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