第22話 二人目の返事

『そういうきっかけがないと思うから』


『そっちむいちゃったら、その人とまず付き合ってみて』


「他に別の人が後から来たら?」


『あ、言う』


「言っちゃう!?」


『私、付き合ってる人がいますからって言う』


「言うの!? ハハハ」


『もしそこでいいその人に嫌われたとしたら、また次の機会のを待つ』


「じゃあ保留じゃなくて断るんだ、もうスッパリと」


「中途半端に保留するとね」


『ない』


『そこはもう、今はちょっと気にしている人いるからごめんなさいって』


「すっごい、現実的やね。そうか言っちゃうんだ」


『現実でしょ』


「でも誤魔化してねなんか適当に待ってーみたいな感じで」


「交際してダメだったらそっちみたいな」


『いや、それはない』


『もしこっちのほうも徹底的に嫌いになったら、またその時に次に出会った人にする』


「そうなんだ、保留しないんだ?」


『しない! それはちょっと心がなさすぎ』


「ええ、マジで!? 俺やっちゃいそう。あ、そうなんだ」


 ドキリ! 自分は心がなさすぎな人かもしれない。



『あっちもこっちも食い付くってことはしない』


「常に付き合う人は1人なんだ」


「それで本当に付き合って」


「求婚された場合には何週間、何ヶ月でYES出す?」


『半年は付き合ってみないと』 


「わからないからね」


『半年ぐらい付き合ったらなんとなくわかるじゃない。話してるうちに、ここの人は』



 現代の若者と80歳以上では、時代も背景も違う。

 恋愛の基準は人それぞれであるが、祖母はとてもピュア(純粋)だと思った。

 ここで、割とデリケートな質問をしてみる。

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