第20話 値上げ

『そこで借金して場所を借りてそこで』


『そこでちょっと場所確保しないと。ずっと道端で雨が降ったらだめだし』


「たしかに。そうだね、雨降るからね」


「そうか、ちゃんと屋根がある屋内でね」


『どこでもいい、軒先でもいいから』


『ここでやります、って人に声かけながら』


『金、その場所を借りたお金を稼いで家から払う』


『交渉して、やらせてもらう』


『とにかく稼いで金を貯めて、次の目的』


『どこ行くんでしょうか、まだそこは』


「今はちょっと金貯めないといけないから」


「最初は確かに100円分で受けたけど、そんなさっきの場所借りた場合はどうするの?」


「値上げはしない?」


『値上げはたぶんしない』


「しないの!?」


「だって露店と違う。露店と違って場所借りて中で開いているのだったら」


『でも高くしたら来ない。人がしないと思う、こういうことは』


『金は安くても人数やればいいんだから』


『安いままで、人を一生懸命、体がを削ってでも数で稼ぐ』


『借りているところに金を返しながら、自分も少しずつでも貯める』


「当然ちょっと、少しずつお金が貯まってきます。だいたい2、3日」


「借りてるとこで寝泊まりもできるかな」


「そこでちょっとずつお金が貯まってきました」


「1000円2000円くらい。借金返しつつ貯まってきました」


「じゃあ今7日目、ある程度お金貯まってきました、1000円位」


『行きたいとこがあるっていっても、今のところはその大都会で満足してそう』


『うーん、いい人にめぐり会えればいいんだけど』


『めぐりあえなきゃ永遠と1人でそこで、稼ぐしかないね』


 ただ黙々と稼ぐだけでは、帰還条件である夫と出会えない。

 何とか打開策を考えながら、話を進める。

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