復讐の怨嗟

トチイ 青

第1話 プロローグ

「ねえ私、貴女を殺したいぐらい恨んでいるの。ねえ、私が自殺するか、貴女がこの世から居なくなるか、どちらが良いと思う? 」


「・・・・・・」


 「私ね、貴女が私を虐めている証拠をビデオカメラで撮影したわ。物凄く大変だった。だって、貴女の世間での信用は、ちょっとや少々で揺らぐものでないから。だから、自殺する時、貴女をその場所に呼んだの。決定的な証拠を撮る為に。」


ガタガタガタ


「あら? 震えているの? 可笑しいわね。ふふふ」


「こっちに来ないで!」


「自分の命を掛けても良い位のことを、貴女は私にした。でも、貴女は良い人で、私は変わり者の、貴女の善意を無にする悪い人。それが、回りの、世間での評価。どんなに足掻いても、更に貴女は私を貶めて行った」


「わっ、悪かった! でも、私だって、好い人をするのはストレスが溜まるのよ! どこかで発散する必要があるでしょう?! それに、私は優秀で大きな会社の社長になるんだから!! 貴女なんか何の取り柄も無いだから、優秀な私の役に立てて良かったでしょうが!」


「言いたいことは、それだけ?」


「いや! 来ないで!」


ずる ズル ずる


がたっ


「あっ!」


ドスン



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