詩集59 途切れて見つからなくなった言葉

第3話 さよなら

　一つずつ宝物を消していく

　一つずつ記憶も消していく

　あの時の　どこの場所で　その場合

　そうしたら　どこかで　なにかして

　手をふったら

　もしもとねがった　それ　あれ

　あ？

　あれ？

　どれ　これ？

「引き留める事ができなかった」

「バッドエンドへ進んでしまった」

　大事なものをなくしていく

　それが唯一の　幸せにつながる道だと

　そう信じていた

「手を放してしまった」

「背中を押してしまった」

「きっかけをつくってしまった」

　さよならの輪郭が　あの世の向こうから手を伸ばしてくる

「どうしてあらがえる？」

「きっかけを作った元凶が」

　さようなら　さよなら　バイバイ

さ　よう　なら　さよ　なら　バイバ　イ

　さ　な　　　ら　　　バ　　　　イ

さ　　　　　イ