大晦日 2

飛鳥 未知琉

第1話


二年前の今日、とある一人の精霊が消えた。



私は少し気になったので、その精霊について知っている人に色々尋ねたりしていた。

聞いた話だと、彼女には仲間も、家族も、そして暮らす場所もなかったそうだ。


でも、私は彼女と面識があった訳でもないし、精霊が消えてしまうことは珍しいことではないので、そこまで気にしてはいなかった。


わわわわ。こんな事を話しているうちにもう朝になってしまった。

そろそろお役目の準備をしないと!

ごめんね、ちょっと準備をしながらお話しするね。


精霊にはそれぞれ、「お役目」というものが与えられているんだ。

たとえば、お正月に神社でお願いごとを聞いて神様にお伝えするお役目から、春に満開の桜を雨風から守るお役目まで、本当に色々な「お役目」があるの。


あっ、いけないいけない。大事な枕を忘れちゃうところだったよ〜。

ん?あわわわわ!そうだ、お話の途中だったね。

ごめんね〜、私ったらほんとにおっちょこちょいで。


そう、それでね、私も精霊だから「お役目」が与えられているんだ。

どんな「お役目」なのか知りたい?知りたいよね??

いいよ!おしえてあげるっ!


私の「お役目」はね────────────

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