第18話:正体不明の巨人
デカイね。巨人?トロルとかサイクロプスとか、そんな感じのやつ。
一つ目じゃないからサイクロプスじゃないね。
多分だけど、ものすごい強敵なんだよ。
一つわかることは、ランクDのパーティーじゃ倒せないってことかな?
「逃げられるか?」
もう相手に気付かれてるからね。難しいと思うんだよ。
そして、狙われるのは私なんだよ。呪いがあるからね。
「とりあえずは遠距離から攻撃だ、出来ればこっちにくる前にどうにかしたい」
魔道士の人とスカウトの人が攻撃を始める。
「早めに足の1本でも潰せば動きが鈍くなるだろう・・・」
巨人の足元を集中して狙う。
「矢が弾かれた!?」
スカウトの人が射った矢は確かに巨人の足に当たったんだよ。それなのに無傷だね。
「なんなんだよあいつは!?」
ごめんね、私にかかった呪いのせいなんだよ。
多分何かの上位種なんだよ。私が襲われる時にはよくあることなんだよ・・・
「それにしても相当な防御力だな、物理耐性が高いのかもしれない」
そう言って今度は魔道士の人が攻撃したんだよ。
「我は求む、敵を貫く悠久のつららよ!アイシクルランス!!!」
数本の氷の槍が巨人に刺さったように見えたんだけど、やっぱり無傷なんだよ・・・
「マジかよ!?魔法耐性も高いのか?」
なんでこんな魔物が居るの?明らかに強すぎなんだよ!
「ありゃあ、ギガンテスじゃないか?」
やっぱり強いやつ?
「確かランクB指定の魔物のはずだ。俺も現物を見るのは初めてだからなんともいえんが・・・」
めっちゃ強いやつじゃん!
今回の護衛の人たちはDランクのパーティーなんだよね?絶望的なんだよ・・・
ノアール、私のことを守ってね。
私が声をかけるとノアールがキランっと光った気がした。
ノアールはあの巨人倒せそう?
どうしよう、みんながやばそうだね、あの巨人は私のところに来ると思うんだよ。
「やばい、嬢ちゃん!」
え?
誰かが叫んだんだけど?
ああ、巨人が岩を掴んでぶん投げたんだよ!
もちろん標的は私・・・うわぁぁぁん、避けられないんだよ・・・
あーん・・・ぱくっ!
いきなり目の前が真っ暗になったんだよ!?
岩に潰されちゃったのかな?でも、痛くないんだよ?
もしかして、私死んじゃった?
ガキィィィィン!!!
なんかものすごい音がしたんだけど、一体何が?
キュドッ!!
今度はなんだかものすごい勢いで動いてるような?
一体私の身体はどうしちゃったんだよ?周りが何も見えないし・・・
あ、周りが見えてきた・・・って、目の前に巨人がいるんだよ!?
しかも、今まさに踏み潰そうとして・・・
ガキィィィィン!!!
ん?何か障壁みたいなのが?無事だったね。
うわぁ、今度は思いっきりジャンプして巨人に体当たり?
ずどごむっ!
巨人の顎にあたったのかな?
間の前に巨人がひっくり返ってるんだよ?
もしかして、今の私がやったの?
うわぁ、今度は後ろに向かってジャンプしたんだよ!?
そして、黒い槍が巨人の身体にたくさん降り注いで・・・
ズガガガガガガ!!!!
倒した?
巨人が動かなくなったんだけど?
近づいていって確認。うん、死んでるみたいだね。
でろん
「嬢ちゃん、無事か!?」
!?
何が起きたの?
「黒いスライムが嬢ちゃんのことを飲み込んで・・・」
ああ、全部ノアールだったんだね。
巨人の攻撃を防いだのも巨人に体当たりしたのも魔法でトドメを刺したのも・・・
ノアール、ありがとうなんだよ!
駆け寄ってノアールを抱っこして頬擦りする。
「それにしても、やはりそのスライム強いんだな・・・」
まあ、みんなもノアールの活躍を見てたわけだしね。
「そうだ、この巨人を運ぶことも出来るか?」
出来ると思うけど・・・ノアール出来るよね?
あーん・・・ぱくっ!
いともあっさりと巨人を丸呑みしちゃったんだよ。
もちろん、巨人を飲み込んだノアールは重くて持ち上がらないんだよ・・・
これ、馬車に乗れる?
「うお、本当に持ち上がらないな・・・」
多分、巨人分の重さがそのまま増えてるんだよ。
「マジか、そりゃ、確かに馬車に乗せられないな・・・」
王都まではまだ遠いの?
「まだ3日はかかるんだが・・・どうするかな?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます