貨幣を数える。
坂西警護
第五話 貨幣を数えない。
「おいおい、三島この『貨幣を数える。』って話はあまりに下らない」
川端はそう言って、薄い紙束を投げつける。
三島は無関心そうにぺらぺら
「俺らのことを書いてあるじゃねえか!?」
三島はそう驚く。
「メモか?」
大江はそう言って割って入る。
「こんなに俺らは知的じゃねな」
そう言って大江は紙束のないように苦笑いする。
「にしてもなんだこの意味不明な内容は?」
川端は柄にもあらず批評をする。
「そりゃまあ、ここは精神科の東病棟だ、そこらのヤツとは頭が違う」
三島の答えに
「ちぇ、中身なんてない人生だったが、ここまで虚仮にされるとは」
川端は落胆する。
「人生とはかくもひでーもんだ」
大江の答えに
「そりゃまあ東にまで堕ちたらならろくなもんじゃねーよ」
三島は答える。
「確かに金は少ない、飯は不味い、おまけにオナニーすら出来ねー、最悪だ」
大江の落胆に
「この前、男同士でしゃぶっての見たぜ」
川端は顔をしかめる。
「だからってこのメモ帳。俺たちをコンナにするなんてヒデーって」
三島の嘆きに
「とにかく犯人を探すぞ」
川端はそう言って立ち上がる。
「犯人って監視カメラは俺らじゃ見れないぜ」
大江の答えに
「何事も一方的てきすぎるぜ、職員は高圧的だしよ」
三島は答える。
「こんな刑務所みたいな暮らしに色を付けるんだよ、毎日クソ職員の考えたつまらんゲームに死んだ目でやるよりは良いだろ犯人探し」
川端はニヤリと笑う。
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