第40話
「二年前の、ですよね? 私はあの事件が怪しいと思っていました。南由がおかしくなりはじめたのと時期が同じだし。事件の事、知っていますか?」
「ボールがコンビニから転がり出て……」
永里は激しく首を振って、遮った。
「おかしいと思いませんか? 転がり出たボールがあたったところで、人間は倒れたりしませんよ。しかも柔らかいゴムボールなのに。ボールは投げつけられたんです。たぶん、思いっきり」
「そんな報道は……」
「表向きには。ネットの裏情報では、ボールはもの凄い勢いで頭にぶつかり、その勢いで被害者は倒れたそうです。車止めに頭をぶつけたのは運が悪かったのかもしれませんが、頭が割れて血が酷かったそうです」
「裏情報って……」
「確かに面白半分に事実とは違う情報が流れることも多いサイトですが、コンビニ事件の場合は状況と合致しています……し、実は一時期、画像もアップされていたんです。今は非公開になっていますけど」
「その画像って……」
「仰向けに倒れて、血が……駐車場、道路に向かって少し傾斜になっているんですね。トマトジュースをこぼしたみたいに、流れていました」
「うえ……。だけど南由のこと関係ないんじゃないかな?」
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