第5話・架空請求業者と戦った話
振り込め詐欺と同じくらいにニュースでもよく取り上げられることのある、架空請求。見たことも登録したこともないサイトから未納金の請求が来たらどうしますか?
この請求にはいろんなパターンがあります。 一番多いのはメール。 その次はハガキ、その次くらいに直接に電話でじゃないでしょうか?
どれも適当に発信されて引っ掛かった人がターゲットになってるだけで、架空請求の業者が相手を把握してる確率って低いです。大抵はメアドだけとか、電話番号だけとかです。
焦って業者に連絡を取ろうとすると、個人情報をわざわざ自分でさらけ出すことになってしまいますので注意! 架空請求を配信している業者はPC専用の機械やソフトを利用しているそうです。
メールの場合なら、数字とアルファベットを含む何文字のメルアドと設定すれば、その文字数のアドレスへ一気に送信することができるようです。
例えば、○○○@docomo.ne.jp の○○○の部分が5文字と指定すると、0~9、a~zを使って作ることができる5文字の全てのパターンをメアドに当てはめ、それに対して一括送信してしまうそうです。00000~zzzzzを使った全てが自動作成されて。
勿論、大半のアドレスは存在せずにエラーとして業者の元に返ってくるらしいです。なのでメールでの架空請求の場合は、運良くエラーにならずに受信された相手が自動的にターゲットになってしまいます。
また、ハガキの場合は何らかの名簿から名前と住所を抜粋されたと考えて良いんじゃないかと思います。
直接電話というのは、電話番号を利用して送ることのできるショートメールを受け取ったユーザーが、送られて来たメッセージに含まれる出会い系サイト等のURLをクリックしたことで、業者側に自分の番号を知られてしまったり、ワンギリに番号通知したままで折り返し掛けてしまったりすることが発端となるケースが多いです。
どのケースも、こういった詐欺が存在するということを知っていれば、不安になる必要もありません。 国民生活センターのHPでもたくさんの情報を得ることができます。
ですがやはり、こういった詐欺のニュースを何となく聞いたことがあっても、いざ自分のところに請求が来たら、当然のように焦り不安になります。
携帯のサイトの未納金の請求と書かれていれば、やはり携帯ショップに詳しく調べてくれと来られる方、すごく多いです。
当然、携帯に関わることですから、ショップにはこういった詐欺について逐一新しい情報が入ってきます。なので私は自信を持って、これは架空請求ですから支払わないでくださいと言うことができました。
金額が少ないからと支払ったことにより、業者にカモとして認定され、何度も繰り返し請求されていた方も見ていましたので、金額に関わらず支払うことと、業者に連絡を取ろうとすることは止めて下さいと、本当に同じことをいろんな方に繰り返して言っていました。
大抵の方は、他にも同じケースで相談に来られる人が多いということで「やっぱり詐欺なんだぁ」と安心してくださったのですが、中にはやはりそれでも不安がられる方も。そういう場合は、念の為に警察と消費者センターにも相談に行かれることをお勧めしていました。
が、ハガキでの請求の場合、割とみなさん、記載されてる請求業者の電話番号に電話で問い合わせをされるようです。
ただし私の知る限りでは、非通知だと業者が電話に出ることはありません。なので思いっきり携帯番号を通知して、自ら名前を名乗ってしまったという方もおられました。
それでもやはり詐欺は詐欺ですし根拠の無い請求ですから、そのお客さまには支払いの義務はありません。
一度だけですが、私は架空請求業者と電話で話をしたことがあります。
ハガキでの請求が来て、番号通知して連絡をしてしまったお客さまが、業者が言ってるサイトがどこのことだか判らないから調べてくれと来店。
いつものごとく私は架空請求について説明し、携帯の利用料金は通信会社からの毎月の請求以外に通信料の請求はありませんとお伝えしました。
出会い系サイトでの利用料が別請求の場合は大抵がクレジットカードや振込での前払いだったりしますから、後日にということはほとんどありません。
それでもお客さまからすれば、通知して名前まで名乗ってしまったことで不安があります。で「今から電話するから、話してくれませんか?」と。
お客さまを安心させようと、大丈夫ですと繰り返してたくせに、ここで弱い態度になってしまっては元も子もありませんから「いいですよ」と笑顔で受ける私。
正直ちょっと必死でした。
勿論、こちらが正当なんですから店舗名も名前もきちんと名乗りました。
で、お客さまがショップに相談に来られたので、請求に対して代理で確認させていただきますと伝えると、さすがに相手はとまどってました。まさかショップの人間が出てくるとはって感じでしょうか?
私 「お客さまに請求されている金額の内訳と、そのサイト名、通信されたという日と時間を教えてください。 こちらの方でも詳しい履歴を確認させていただきたいので」
業者「こちらは○○という会社から委託されてるので、具体的にどのサイトまでは分かりません。 たくさんのサイトを運営してる会社ですから……」
私 「請求に対する詳しい内訳も分からずに、お客さまは料金を支払わないといけないんですか?」
業者「……ちょっと待ってください」 で、別の人に代わるのかと思いきや、しばらくすると同じ人が
業者「詳しいことは、裁判所に資料として提出してますから」
私 「支払うように督促状を送られて、内訳を本人に伝えずに支払えっておっしゃるんですか? おかしくないですか?」
業者「ですから、裁判の為に内容証明を送ってますから。 詳しい資料は裁判所だから見ることができないんです。 内容証明の意味は分かりますか?」
私 「理由が分からずに支払い請求されて、それを払わなければ裁判なんですか? きちんとした説明がないまま支払えとおっしゃるんですか?」
業者「……」 ブチッ、と電話は切れました。
これ以降、そのお客さまへは業者から何の連絡も無いそうです。
裁判所とか内容証明って……しかも、内容証明の意味は分かりますか? と来たもんです。バカにするにも大概にしろって感じですよね。マニュアル作るなら、もっと法律を勉強してからにしろって感じですよね。
おかげで、架空請求業者なんてやってる人は、ロクなヤツじゃないってことの証明はできましたけどね。
良い子のみんなは、真似して電話を掛けちゃダメだよ!
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