第18話 クラブに行ったら知ってるやつがいた
俺は四人家族の長男だ。そして2歳年下の貧血気味の貧弱な妹がいる。父親は真面目なサラリーマンで母親はスーパーでレジ打ちをしている。至って普通な家族だ。
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サラリーマン一年目のクリスマス。俺はめんどくさい残業を終え、クラブへと向かった。そこで適当に女を見つけ、ともに夜を過ごそうと思っていた。
クラブへ入ると耳をつんざくような音楽に数人の男女が奇声をあげはしゃいでいた。中には下着だけのやつや、耳がなくなるぐらいピアスを開けているやつもいた。俺は踊りながら遠巻きから彼ら彼女らを眺めていた。
🍀
店内に入ってから20分ほどが経っただろうか。4人組のケバい女が店に入ってきた。そのうちの1人はすでに仕上がっていて相当酔っているようだった。そしてその女が急に立ったまま腰を振りだした。かなり激しい動きだった。その女は「私レイザーラモンの嫁ですねん」と叫んだ。その女はレイザーラモンになりきっているようだった。他の女たちはそれを見て止めようとしたがレイザーラモンは止まらなかった。レイザーラモンはそれから河内音頭を踊り、ビートたけしのコマネチや、下手くそなムーンウォークなどを踊った。その女はムーンウォークしながら店の中を一周した。そして俺の前を通ったとき目があった。
その女は俺の妹だった。
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