1 あなたはだれ #3

「誰、誰なの」

少女は、大声で叫びます。

「お前こそ誰だ。なぜここにいる」

と、またさっきと同じような内容のことを話す声がしました。少女は、またあたりを見渡しますが、誰も人はいません。

「あなたこそ誰よ。どこにいるのよ」

「探しても無駄だ。隠れているのだから見えないに決まっている」

少女は、隠れていると言われたので探そうと立ち上がりました。

「だから、隠れているといっただろ。見つけられるわけがないだろう。

そんなこともわからないなんて、ばかかおまえ」

少女が探そうとして立ち上がるのを見たのか、声はそんなことを言いました。

「さっきから、なんなのきみは。なに、私の考えてることがわかるの。もしかして、エスパー。こわいんですけど」

少女はばかと言われたことに気が付いていないのか、普通に会話を続けました。

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