これは君の知らない物語

1 あなたはだれ ＃1

　（あれ、ここはどこ）

少女は、ジメジメしたところに倒れていました。

（いたいし、血もでてる。なんでこんなところに私は倒れているのよ）

　思い返すこと、少し前少女はいつものように風を操っていました。順調にいたのは最初だけ。途中からコントロールが効かなくなってしまい、自分の方へ向けてしまったのです。そして、ここまで飛んできてしまったというわけです。

　（あ～あ、もっと気をつけておけばよかったな。そしたらこんなとこに来なくても済んだのに。誰かいないのかな。）

少女は、じべたに座りながらそんなことを考えていると、どこからか声がしました。