371_運動のパフォーマンスをあげる最適な音楽は何ですか? #運動 #音楽
「ドイツの作曲家でありピアニストのルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは『音楽のドラマを伝えるためには演奏家は役者であるべきであり、音楽を感じ、顔と身体で感情を表現しなければならない』と言いました。音楽を表現するには、音楽だけでは薄っぺらいのでしょう。様々な経験が音楽に深みを持たせてくれます」
「やっほー、人生に役立つ知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『運動のパフォーマンスをあげる最適な音楽は何ですか?』のお話です」
「では、よろしくお願いします」
「読者様には前回、運動をする際に音楽を聴くとパフォーマンスが上がるよ、ということをお話しさせていただきました」
「ところが、人数が少なかったり、音楽の選曲理由が曖昧だったりと、スッキリしない結論でした」
「なので、今回はもう少し詳しく運動と音楽の関係を深掘りしたいと思います」
「前回、モヤモヤした読者様、今回は安心してください。前回よりも音楽のメリットを詳しく知れるでしょう」
「参考にするのは、オーストラリアの南クイーンズランド大学が行った研究となります」
「研究者は1911年~2017年までに行われた、運動と音楽に関する研究を139件集めて、メタ分析を行いました」
「その結果、3599人の参加者から598の効果量を確認することができました。さらに、4つの理由によって運動のパフォーマンスが上がることが判明しました」
「さて読者様、音楽は具体的に何に作用すると思いますか?」
「前回のお話ではざっくりと運動のパフォーマンスをあげてくれる、ということでした」
「しかし、今回の研究では『どうして音楽が運動のパフォーマンスを上げるのか?』について言及しています」
「やはり、メンタルに作用して、精神的苦痛を軽減してくれるのでしょうか?」
「それとも物理的に肉体の疲労を回復する効果でもあるのでしょうか?」
「もっと別のことが関係しているのでしょうか?」
「はたして、音楽は運動の何に作用するのでしょうか?」
「メタ分析の結果、音楽で得られる4つのメリットとは、ポジティブ感情、身体能力の向上、知覚される運動負荷の減少、効率的な酸素利用でした」
「言葉だけだと『なんのこっちゃ』でしょうから、一つ一つ具体的に見ていきましょう」
「まず、ポジティブ感情です」
「これは、自分の好きな曲を聴くと幸せになれます」
「幸せになれば、運動の苦しさを上書きすることができます。運動は楽しいもの、運動は喜ばしいもの、という風に結び付きます」
「運動が苦しくなくなるので、楽しく長く楽に続けられるようになります。運動で幸せを感じることができます」
「次に、身体能力の向上です」
「人の体は音楽のリズムに合わせて動きます」
「読者様も音楽に合わせて踊ったことがあると思います。これが運動でも起こるのです」
「スローテンポな曲を聴くと、体はゆっくり動きます。しかし、早いテンポの曲を聴くと、曲に合わせて体が早く動きます」
「曲のリズムに合わせることで、何も音楽がないときよりスムーズに体を動かせるようになります」
「リズムがないと強くなったり弱くなったりします。しかし、リズムがあると、一定の強さで運動を続けることができます」
「読者様もマラソンのコツは同じ早さで走り続ける、ということを聞いたことがあると思います。リズムによって疲労が軽減されるのです」
「逆に、運動の強度が強くなったり弱くなったりしていたら、疲労が大きくなります」
「一定の間隔で運動するのに音楽は役立つのです」
「続いて、知覚される運動負荷の減少です」
「音楽を聴くことによって、運動のつらさが紛らわされます」
「音楽が気晴らしになるので、運動のモチベーションが落ちにくくなります」
「自分が感じる運動のつらさも軽減されるので、本来しんどい運動もしんどくなくなるのです。運動のマイナス面を打ち消してくれるのです」
「最後に、効率的な酸素利用です」
「運動において、というか人体にとって酸素は大事です。体を動かすのになくてはならないエネルギー源です」
「そんな酸素を運んでくれるのが血流です。実は音楽を聴くことによって血流がよくなることが判明しています」
「楽しい音楽を聴くと血流が26%上昇します。不安な音楽を聴くと血流が6%低下します」
「音楽を聴くと血流が上がる、血流が上がると酸素がたくさん運ばれる、酸素がたくさん運ばれるとエネルギーがたくさん作られる、エネルギーがたくさんあると運動もたくさんできる、という寸法です」
「音楽を聴くことによって効率的に酸素を摂取できるので、運動能力がアップするのです」
「音楽は肉体にも精神にも血液にもプラスの働きをしてくれるのです」
「研究者は音楽のテンポについて調べてます」
「分析の結果、BPMが120以上の音楽なら、運動能力を上げてくれるだろう、と申しています」
「テンポが遅すぎると、体の動きも遅くなるので効果があまりありません」
「BPMが120の曲は、あいみょんの『夢追いベンガル』、ONE OK ROCKの『Last Dance』あたりです。米津玄師の『LOSER』はBPMが121です。参考にしてください」
「また、BPM120というのは、安静時の心拍数の2倍でもあり、歩きやすい早さでもあります。自然なリズムを反映するテンポでもあります」
「これらをまとめますと、運動する際に聞きたい音楽の条件は、BPMが120以上、楽しい気分にさせてくれる曲、動きを合わせやすい曲、テンポが一定の曲、不安にならない曲、という感じです」
「これだけ絞ったら、前回のやる気の出る曲に比べて、読者様も運動の際の音楽を選曲しやすいのではありませんか? 是非、参考にしてください」
「音楽の選び方もお伝えした所で、今回のまとめです」
「研究者は過去100年以上の音楽と運動に関する研究を集めて、運動する時に音楽を聴くメリットを調べたよ」
「その結果、音楽には4つのメリットがあるよ。ポジティブ感情、身体能力の向上、知覚される運動負荷の減少、効率的な酸素利用だよ」
「音楽は幸せにしてくれて、運動能力を上げてくれて、精神的な苦痛を軽減してくれて、血流を改善してくれるよ」
「ちなみに、音楽はBPM120以上がオススメだよ」
「運動能力を上げるためにも音楽は役立ちますし、運動習慣を身に付けるためにも役立ちます」
「運動を楽しくするためにも音楽は必須です」
「子供が運動嫌いにならないためにも、運動をする際はテンションが上がる曲をかけておきたいですね」
「……もしかして、運動会が楽しいのは、絶えず音楽が流れているからなのでしょうか?」
「ということで、今回は『運動のパフォーマンスをあげる最適な音楽は何ですか?』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」
「最後まで、ありがとうございました。高評価、コメント、お願いします」
「読者様の『あれが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」
「次回の『【人間と一緒】リスクを取るオオカミはリーダーになりやすい』で、会いましょう!」
「やるぜ、知識の宝物殿。バイバイ」
参考文献
Effects of Music in Exercise and Sport: A Meta-Analytic Review
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