334_歩いているだけで幸せになれる #幸福 #散歩

「たまには聖書の言葉を紹介しましょう『知恵ある者とともに歩む者は知恵を得る。愚かな者の友となる者は害をうける』と。人は周りにいる人の影響を受けます。友達を知っていれば、本人を知らなくてもある程度理解できます」


「やっほー、人生が楽しいに違いない読者様。悩み解決請負人の世界一の美女サクラです! 今回は『歩いているだけで幸せになれる』のお話です」


「では、よろしくお願いします」


「読者様は幸せになりたいですか?」


「……ふむ、ちょっと胡散臭い宗教みたいな感じになってしまいました」


「宗教はともかく、読者様はできるなら幸せな人生を送りたいと思っているでしょう」


「わざわざ不幸になりたいと願う人は稀少だと思います」


「なので、今回はお手軽に幸せになれる方法を紹介したいと思います。読者様には、幸福に満ちた人生を送って欲しいと私も願っています」


「今回の参考文献はアメリカのアイオワ州立大学の研究となります」


「研究者は486人の大学生を集めて、学校内を12分間歩き回ってもらう実験を行いました。要するに学校内の散歩です」


「ただ、学校内を散歩するのでは、実験になりません。そこで、学生を4つのグループに分けて、すれ違う人に対して、心の中であることを考えるよう、それぞれに指示を出しました」


「一つ目のグループは、相手の幸福を望みます。すれ違った人に対して、『この人が幸せになりますように』と心の中で思います」


「二つ目のグループは、相手と自分の共通点を考えます。同じジーンズを履いている、同じブランドの時計を着けている。同じ髪型、などを心の中で考えてもらいます」


「三つ目のグループは、相手より自分が優れている部分を考えます。相手より自分の方がかわいい、かっこいい、背が高い、幸せ、お金を持っている、賢い、優しい、など。言ってしまえば、相手にケチをつけたのです」


「四つ目のグループは、相手の衣服や化粧、装飾品についてだけ考えます。このグループは対照群ですので、外部の情報だけを見るようにしました」


「この実験は、あくまで心の中で考えるだけです。何かを実行するようなことはありません」


「そして、散歩の前後で被験者の不安、幸福度、満足感、共感力、他人と繋がっている感覚、思いやり、などが変化するのか調べました」


「要するに、散歩する時にすれ違う相手のことを考えながら歩いていると、人の心の中に何が起こるのか調べたのです」


「読者様はどう思いますか?」


「すれ違う相手の何を考えれば、いいと思いますか?」


「他人の幸福を願えば、巡り巡って自分が幸福になれると思いますか?」


「共通点を探して、一緒だと思えることが幸せに繋がるのでしょうか?」


「相手を下に見て、優越感に浸るのが最善ですか?」


「それとも、何も考えない方が、いい結果を呼び寄せるのでしょうか?」


「さて、分析の結果ですが、幸せになっていたのは、すれ違った相手の…………幸福を望んでいたグループでした!」


「相手の幸福を願っていたグループでは、散歩の後に不安の減少、幸福度と共感力の上昇、思いやりの心が育まれ他人と繋がっている感覚が強くなっていました」


「つまり、人は他人の幸せを願うだけで、自分が幸せになれる生き物なんです!」


「読者様も通勤・通学の時に見知らぬ他人とすれ違うと思います。その際に、心の中で『幸せになりますように』と願ってください。それが読者様の幸せに繋がるのです」


「しかも、性格や性別も関係ないことが判明しています。ナルシストの人も、親切な人も、男性も、女性も、同じように幸せを感じていました」


「誰もが、幸せになれるのです!」


「読者様は歩道を歩いている時、ながらスマホをしていませんか?」


「その行為は単純に危険なだけでなく、幸福を逃す行為でもあるのです。しっかり前を見て、すれ違う相手の幸福を願えば、危険もないですし、幸せにもなれます」


「今回の実験では、散歩中にすれ違う見知らぬ他人に対して、幸福を願いました」


「でも、散歩中である必要はあるのでしょうか?」


「たとえば、満員電車の中で、隣に立っている人の幸福を願うのでもいいのではないでしょうか?」


「スマホやタブレットの画面越しに見える相手の幸福を願うのでもいいのではないでしょうか?」


「散歩が嫌いな読者様は、画面越しでいいので幸福を願ってみてはいかがでしょうか?」


「……まあ、私の個人的な感想ですので、効果は保証しませんが」


「4つのグループで実験を行いました。他のグループの結果もお伝えします」


「相手と自分の共通点を探すグループでは、思いやりの心と他人との繋がりは強くなっていました。ですが、不安の減少や幸福度の上昇はありませんでした」


「そして、相手を見下していたグループは、特に何もありませんでした」


「先行研究では、相手を見下すと気分が改善するなどもありますが、今回の実験では確認されませんでした」


「基本的に相手と自分を比較することはよくありません。ストレスの上昇、憂鬱な気分になる、などの悪影響が多く報告されています」


「読者様も相手と自分の比較なんかしないで、相手の幸福を願ってください」


「損することをやめて、得することをする、これが人生を楽しく生きる秘訣です。わざわざ、高級品を買ったり、美味しいレストランで食事で幸せを感じなくていいのです。幸せは身近にあります」


「幸せってのは、そこら辺に転がっているんだよ、という所で今回のまとめです」


「学生を集めて、学校内を散歩してもらったよ。その際グループに分けて、すれ違う相手に対して、幸福を願う、共通点を探す、自分の優れている部分を探す、何もしない、それぞれに指示を与えたよ」


「すると、相手の幸福を願ったグループは、不安が減少して、幸福度が上昇して、他人を思いやる心が育まれて、他人との繋がりを感じるようになっていたよ」


「つまり、幸せになっていたよ」


「読者様も試してみてね」


「心の中で願うだけですから、誰でもできます。そして、簡単です」


「ですので、容易に日常に取り込めます。通勤、通学、散歩、ランニングなど、移動中ならいつでもどこでも、できます」


「効果があるか考える前に、とりあえず試してみてはいかがでしょうか?」


「なので、私も顔の見えない読者様の幸福を願っておきます」


「ということで、今回は『歩いているだけで幸せになれる』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございました。高評価、コメント、お願いします」


「読者様の『あれが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『コーヒーってのは寿命も伸ばしてくれるそうな』で、会いましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

Caring for Others Cares for the Self: An Experimental Test of Brief Downward Social Comparison, Loving-Kindness, and Interconnectedness Contemplations

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