281_寒い日はSNSにイライラした投稿が増えるべ #勘定 #環境

「『布団が吹っ飛んだ!』『アルミ缶の上にあるミカン』などと言うと場が凍りついて寒くなります。オヤジギャグは控えめに」


「やっほー、人生成功間違いなしな読者様。知らないと損する知識をお届けする世界一の美女サクラです! 今回は『寒い日はSNSにイライラした投稿が増えるべ』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「人々の行動は気温に影響されることがあります」


「たとえば、暑い日は動くのが億劫になったり、寒い日は動きたくなくなります。……あれ? 同じ?」


「と、ともかく、気温には人の行動を変える効果があります」


「そして、その変化は何も行動だけに留まりません。実は、感情も気温に左右されるのです」


「このことについてオーストラリアのマッコーリー大学が調べてくれました」


「読者様も気温で気持ちに変化があることを覚えておいてください」


「研究者は、オーストラリアの2015年~2017年にSNSに投稿された内容、実に7420万件と気温の関係を調べました」


「分析の結果、まず判明したのは気持ちの高ぶりが感じられる投稿の数でした」


「感情の中でも、嫌い、うんざり、イライラする、悪質などの怒りと結び付く投稿の数を調べました」


「読者様はSNSに投稿される内容のどれくらいが、怒りの感情を露にしたものだと思いますか?」


「1%? 3%? 5%? 10%? それとももっと多いのでしょうか?」


「今回の研究では3.8%にあたる、287万件が怒りの感情が見える投稿でした」


「研究者は怒りの感情の投稿の動向を調べるため、続いてオーストラリアの気温とSNSの投稿の関係を調べました」


「要するに、暑い日に怒っている投稿が増えるのか、それとも寒い日に怒っている投稿が増えるのか調べたのです」


「読者様は暑い方がイライラしますか? 寒い方がイライラしますか?」


「分析の結果はですね、寒い日のほうが怒っている投稿が増えることが判明しました!」


「寒い日のほうが、怒りの感情を露にする投稿が増えるのです。イライラする、あいつが嫌い、寒くてうんざりする、みたいな投稿がより多く見受けられるのです」


「寒い日に家に閉じ籠もって、SNSのチェックをしようものなら、嫌な投稿ばかり目につきます。気が滅入りますので、控えたほうがいいですよ」


「ただでさえ、寒くて億劫なのに、さらに嫌な気分になります。冬にSNSを見るのは控えましょう」


「具体的にどのくらい投稿に差があったのかと言いますと、最高気温が高かった日の怒りの投稿の平均は1日2482件でした」


「対して、最高気温が低かった日の怒りの投稿の平均は1日3354件でした」


「暑い日に比べて、寒い日は30%も多く怒りの投稿を見ることになります。気を付けましょう」


「読者様は冬バテという言葉をご存じでしょうか?」


「冬バテとは、冬に起こる体調不良のことです。頭痛、倦怠感、食欲不振などの症状があります」


「この症状の原因は寒暖差と言われています。冬は夏に比べて、昼夜の寒暖差が大きいです。急激な温度変化に体がついていかず、体調が崩れます」


「寒い日に怒りの投稿が増えるのも、もしかしたら体調不良が原因かもしれません。対策は体を温めることです、念のため覚えておくと便利ですよ」


「え? 『冬より、夏のほうがイライラする』ですか。なるほど、その感覚、案外間違っていませんよ」


「実はですね、気温と犯罪の発生数を調べた研究がありまして、その研究では暑い日ほど暴力的な犯罪が増えることが判明しています」


「だから、暑い日にイライラするのは間違っていないのです」


「ネットの世界では、寒い日のほうが危険なんですが、現実世界では暑い日のほうが危険なんです」


「なので、夏は家から出ないのが無難で、冬に家から出るのがいいんです。これが賢い生き方です」


「ちなみに、暑い日に事件が増えるのはアルコールが関係しているともされます。暑いとビールなどをたくさん飲むようになります。そのため、事件が増えるという仕組みです」


「また、アルコールが入ると思考能力が鈍り、わざわざSNSの投稿をしなくなります。そのため、暑い日は怒りの投稿が減るとも考えられます」


「実際に全投稿の数も暑い日のほうが少ないことが明らかになっています。仮説としては十分でしょう」


「暑い日も寒い日も気を付けないといけないのなら、安息の日はいつなんだ、って感じで今回のまとめです」


「オーストラリアでSNSに投稿された内容を分析して、気温と怒りの投稿に関係があるのか調べたよ」


「嫌い、うんざり、イライラ、悪質、くそ、みたいな投稿が対象だったよ」


「すると、寒い日のほうが怒りを露にした投稿が増えていたよ」


「読者様も寒い日にネットサーフィンをすると、ムカついている投稿を見る羽目になるよ」


「だいたい30%増しだから、気を付けてね」


「でも、現実世界では真逆のことが起きるよ。犯罪と気温を調べた研究では、暑い日のほうが犯罪が増えているよ」


「夏も冬も気を付けないとダメだよ」


「読者様は夏と冬で生活リズムを変化させて、賢く生きてくださいね」


「ちょっとしたテクニックを駆使するだけで、嫌なものを見る機会を減らせます。そうすれば、ネガティブな気持ちにならなくなります」


「わざわざ見なくてもいいものを見ないような人生を過ごしましょう」


「今回の研究は主に気温と怒りの投稿の関係を調べました。ですが、副産物として、他の傾向も確認できました」


「たとえば、怒りの投稿が一番増える曜日は月曜日とも判明しました。寒い日の月曜日はSNSのチェックを慎重にしましょう」


「他にも、政治イベントや大きなスポーツイベントが起こった後も怒りの投稿が増えました」


「選挙や世界大会が開催されている時は、余計な投稿を見ないように気を付けましょう」


「こう考えると、地雷が多すぎますね」


「身も蓋もないですが、SNSを使わなければ関係ない話です。SNSにうんざりしたら、一度SNSから離れるのもいいと思いますよ」


「ということで、今回は『寒い日はSNSにイライラした投稿が増えるべ』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「最後まで、ありがとうございます。高評価、コメント、お願いします」


「読者様が『あれが知りたい』というリクエストも受け付けてます!」


「次回の『詐欺師にカモにされるのは誰だ!?』で、会いましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でもいいですよ。目指せ、知識の宝物殿。バイバイ」



参考文献

In Cold Weather We Bark, But in Hot Weather We Bite: Patterns in Social Media Anger, Aggressive Behavior, and Temperature

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