126_自らお化け屋敷に入る人はリラックスして気分がよくなる【瞑想効果もあり】 #リラックス #気持ち

「シェイクスピアの四大悲劇に数えられる『マクベス』の言葉を教えましょう。『お前たちもみな知っているように、慢心は人間最大の敵だ。運命をはねつけ、死を嘲り、野望のみを抱き、知恵も恩恵も恐怖も忘れてしまう』です」


「やっほー、人生よくなってるはずの読者様。毎回タメになる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『自らお化け屋敷に入る人はリラックスして気分がよくなる』のお話をしますよ」


「では、よろしくお願いします」


「読者様はホラーが好きですか?」


「え? 『ホラーはいいよ、ホラー大好き』ですか。読者様は勇敢ですね」


「私は嫌いです。いいえ、大っ嫌いです!」


「ですが、ホラーには様々なメリットがあることが明らかになっています」


「そこで、今回もホラーのメリットについてお話しできればと思います」


「ピッツバーグ大学の研究者はホラーはホラーでも、お化け屋敷で研究を行いました。有名なお化け屋敷で、おばけに触られたり、電気刺激を浴びたりする成人向けの内容です」


「聞くだけでも恐ろしいお化け屋敷です。私は絶対にノーサンキューです」


「対象者はお化け屋敷のチケットを購入した262人です」


「そんな自ら恐怖体験を味わいたい頭のおかし…………げふん、げふん、間違えました。


「自ら恐怖体験を味わいたい勇敢なる対象者に、お化け屋敷に入る前と出た後に心理状態を聞いたり、認知テストや感情的なテストを受けてもらいました」


「その他にも携帯可能な脳波計(EEG)で脳波も調べる徹底ぶりです」


「これらのことを調べて、研究者は恐怖が人にどのような作用があるのか明らかにしました」


「前回のお話では、ホラー映画を見ると予測する力が働いたり、感情が安定したり意思決定に関する脳の領域が活発になる、と結論を出しました」


「今回も同じ結果になるのでしょうか?」


「それでは結果をお知らせしましょう」


「まず、被験者はお化け屋敷を出た後は、気分がよくなっていました」


「しかも、怖ければ怖いほど、気分がよくなる傾向が確認されました」


「恐怖を味わうことで日常のありがたみを知るのでしょう。だから、怖ければ怖いほど、日常がいかに大切か実感して、気分がよくなると考えられます」


「暑い夏の日に飲む冷たい麦茶が、より美味しく感じるのと同じです。ギャップがあるから、より一層嬉しく感じるのです。スイカに塩でもいいですね」


「気分がよくなる以外にも、不安の軽減や疲労の回復が報告されています」


「日常の些細な不安なんてお化け屋敷の恐怖に比べたら屁の河童です」


「お化け屋敷は常に緊張します。適度な運動となるので、疲労が回復したのかもしれません。疲労の原因の一部は運動のしなさすぎです。適度な運動は疲労回復にもってこいです」


「脳波を調べたとも言いましたよね。これがとても面白い結果となっていました」


「お化け屋敷のような怖い場所に行くから、私はてっきり脳は興奮するのだと思っていました。恐怖に立ち向かうために勇気を振り絞る、と考えました」


「ですが、結果は逆でした」


「脳波を調べた所、脳はリラックスしていることが明らかになりました」


「これから『怖いことが起きるぞ』と思うと脳の活動は抑えられるのです」


「瞑想をしている人と同じような脳の状態になっていたそうです。つまり、お化け屋敷には瞑想をするのと同じ効果が得られるのです」


「へえー、って感じです。まあ、私はお化け屋敷なんか行かなくても、瞑想できるから問題なしです」


「お化け屋敷に入るとストレスに強くなることも判明しています」


「これは、お化け屋敷が頭では安全だと理解しているからです。安全だから没入できるのです」


「頭では偽物だと理解しても、お化け屋敷を進んでいる最中は世界観に入っています。その時に味わう恐怖は本物です」


「安全に恐怖を味わうことでストレスに強くなれます」


「強いストレスにさらされることで、普段感じるストレスをストレスと感じなくなるのです」


「社長とサシで面談を済ませたら、部長や課長と話しても緊張しない、みたいな感じです」


「より強い恐怖を味わうと、日常で感じる普通の恐怖が子供騙しに思えてくるのです」


「他にもですね、ホラー体験は自分自身を知ることに繋がります。安全に恐怖を体験して、普段とは違う自分の一面を観察できます」


「恐怖を感じると、取り繕うのが難しくなります。素の自分を見つけることができるでしょう」


「新たな発見があること間違いなしです」


「それに友達と一緒にお化け屋敷に行くのもありです。一緒に恐怖を味わうと、より仲良くなれます」


「恐怖体験は日常の経験より強烈です。だからこそ絆が深まるのです」


「もし読者様に仲良くなりたい相手がいたら、お化け屋敷に誘ってみてはいかがでしょうか?」


「一気に二人の仲が深まりますよ」


「ただ、無理矢理誘うのは厳禁です。相手がお化け屋敷が嫌いな人を誘うと逆効果になります」


「恐怖体験が有効なのは自ら望んだ場合に限ります。ホラーが嫌いな人がホラーを体験しても、気分がよくなる効果やストレス耐性は得られません」


「だから、ホラーが嫌いな人を誘ってはいけませんよ!」


「大事なことなのでもう一度言います。ホラーが嫌いな人を誘ってはいけませんよ!」


「読者様も肝に銘じてくださいね」


「読者様に釘を刺した所で、今回のまとめです」


「お化け屋敷に入る人を研究したよ。お化け屋敷を体験した人は得てして、気分がよくなったと報告したよ」


「それに、お化け屋敷に入る人の脳はとてもリラックスしていたよ。瞑想している人と同じになっていたんだって」


「ストレスにも強くなる効果が確認されたよ」


「読者様もホラーが大丈夫なら、積極的に体験してはいかがでしょうか?」


「それにホラーはストレス発散にもなります。日頃の鬱憤を晴らすのもいいと思います」


「……私は、ホラーは遠慮願いますが」


「自ら飛び込むホラーにはメリットがあります。ですが、相手が嫌がっていたら、やめてあげてください」


「仲違いの原因となります」


「面白半分でお化け屋敷に放り込むと、痛い目を見ますよ。気を付けましょう」


「だって、私がお化け屋敷に入れられた、その人を精神的にも物理的にも追い詰め……」


「おっと、これ以上は言えませんね。賢い読者様なら察してくれるでしょう」


「ということで、今回は『自らお化け屋敷に入る人はリラックスして気分がよくなる』のお話でした。読者様の人生の潤いになれば嬉しいです」


「お付き合いいただき、ありがとうございます。高評価や応援コメント、質問やリクエストも待ってまーす!」


「次回の『異性の好感度を稼ぐには一緒に歩け』で、お会いしましょう!」


「もしくは、読者様が気になるお話でお待ちしております。さようなら」



参考文献

Voluntary arousing negative experiences (VANE): Why we like to be scared.

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