052_5秒ルールが安全なのか科学的に調べたぞ #食べ物 #健康

「やっほー、読者様のプラスになる知識を提供する世界一の美女サクラです! 今回は『5秒ルールが安全なのか科学的に調べたぞ』のお話をしたいと思います」


「では、よろしくお願いします」


「読者様も一度は聞いたことがあると思うのですが、地面に落ちてから5秒以内に拾えばセーフ、という謎の理論を知っていますか?」


「床に落ちても素早く拾えば、床の菌が食品に移ってないから大丈夫、という主張ですね」


「私も人生で何度も耳にしたことがあります。もちろん読者様もありますよね?」


「うんうん、『知ってるよー』ですか。やはり、ご存知ですね」


「いわゆる5秒ルールと呼ばれる理屈です。これを科学的に大丈夫か調べた研究があるのです」


「研究者って、本当に面白いですよね。なんでも調べてくれます」


「実は5秒ルールは日本限定の迷信ではなく、世界的に存在するみたいです」


「バリエーションが豊富で3秒だったり、10秒だったり、15秒の場合もあります」


「また、5秒ルールに関連する言葉もあるみたいです。正確には汚れた食べ物を食べると際の慣用句です。いくつか紹介します」


「たとえば、ドイツではDreck reinigt den Magen.日本語では、埃が胃を綺麗にする」


「私はそんなありがたい埃は見たことないよ」


「スウェーデンでは、Lite skit rensar magen.胃を綺麗にする埃もある、という意味です」


「どんな埃だよっ!」


「スペインでは、Chancho limpio nunca engorda.意味は、綺麗な豚は太らない、です」


「豚だって綺麗な場所で育ちたいでしょ」


「英語では、God made dirt, dirt don't hurt.神は埃を作った、つまり無害である、という具合です」


「神様万能、神様最強、神様万歳!」


「中国では、不乾不淨 吃了沒病。意味は、少し汚いものを食べても病気にならん、です」


「言いたいことは分かるけど、って内容です」


「いやー、世界中で意地汚い人がいたものです。私も思わず心の声が漏れてしまいました」


「いつからあるんでしょうね、5秒ルールって?」


「そんな訳で、世界中にはびこる5秒ルールが気になって、夜も眠れない研究者が実際に安全かどうか調べたのです」


「2003年に当時高校生だったジリアン・クラークは5秒ルールを研究して、2004年にイグノーベル賞を受賞しました」


「いかに世界中の人々が5秒ルールに関心があるか分かります」


「さて、今回の本題です。アメリカのラトガーズ大学の研究チームが5秒ルールについて、がっつり調べてくれました」


「研究チームはまず、4種類のタイプの違う床を用意しました。ステンレス、セラミック、木材、カーペットです」


「続いて食品を4種類用意しました。スイカ、パン、バターを塗ったパン、グミです」


「床と食品の組み合わせでそれぞれ1秒、5秒、30秒、300秒放置して、菌が食品に移るか調べました」


「全部で128パターン。それぞれで20回計測して、合計で2560回も計測したのです。本当にがっつり調べてます」


「研究者は頑張ってくれました」


「計測の際には食品の大きさを5cm×5cmにカットして揃えています。表面積の違いによる菌の付着率は変わりません」


「さらに12.5cmの高さから落としました。落とす際に研究者の手の菌が移らないように手袋もしています」


「徹底的に調べたと言っても過言ではないでしょう」


「さて、読者様は5秒ルールを信じていますか?」


「もし、安全なら、何秒くらいまで大丈夫だと思いますか?」


「そして、どの食品がより安全だと思いますか?」


「引き伸ばすのはこれくらいにして、結果をお答えしましょう」


「1秒でも床に落ちたらアウトでした!」


「残念! 5秒ルールなんて存在しなかった!」


「もう少し詳しく説明しますと、一番最悪だったのはスイカでした。どうやら潤いのある食品はダメなようです」


「水分が床から菌を吸い上げてしまうので、最も汚染される結果となりました」


「水分の多い食材は軒並みアウトですね」


「一番乾燥しているグミが菌に汚染されにくかったみたいです」


「食品を汚染されやすい順に並べますと、堂々の一番がスイカ、二番がバターを塗ったパン、三番がパン、四番がグミです」


「ですが、これだけではグミが安全とは言えません。どこに落ちたかも重要です」


「床の方は、かろうじてカーペットが勝ちました。他の床はほとんど差がなかったです」


「つまり、カーペットにグミを落とした場合が一番菌に汚染されていなかったのです」


「ただ、木材の場合は食品によって、菌の移り具合に変動があったみたいです」


「食品と木材の表面の形が影響したようです」


「とはいえ、どんな食品でも、どんな床でも、1秒でも落ちたら菌が付着します」


「5秒どころか、1秒でアウトです。いえ、落ちた瞬間にアウトです」


「残念ですが、床に落ちた食べ物の拾い食いはオススメできません」


「安全なのは、手から食品が離れて、床に落ちる前にキャッチしないとダメなんです。反射神経の勝負の世界です」


「自信がある読者様は挑戦してはいかがですか?」


「当然ですが、床に落ちている時間が長い方が菌の量が増えます」


「10秒後に拾うより5秒で拾った方がマシ、という結果です。もう一度言います、床に落ちた時点でアウトです」


「5秒ルールは信用に値しません。科学的にダメなのが証明されました」


「読者様の中で『こんな研究なんか信じない。好きにさせてもらう』という猛者は自己責任でお願いします。読者様の拾い食いに私は責任を負いません!」


「ということで、今回のまとめです。世界中で信じられている5秒ルールをラトガーズ大学ががっつり調べてくれたよ」


「結果は、どんな食品も1秒でも床に落ちたら菌が付着するぞ」


「科学的に5秒ルールなんて存在しないことが証明されたよ」


「なので、賢明なる読者様は身近に5秒ルールを主張する方がいらっしゃいましたら、『落ちたらアウトだから』と言ってあげましょう」


「お腹が『痛い痛い』になってからでは遅いです。食い意地に負けないでくださいね」


「私も影から、読者様の健康を願っております」


「それでは、今回は『5秒ルールが安全なのか科学的に調べたぞ』のお話でした。読者様の参考になれば、私はとても嬉しいです」


「最後までお付き合いいただきまして、本当にありがとうございます。高評価や応援コメントはどんどんお願いします。待ってまーす」


「それでは、次回の『おやつに負けやすい時間が判明した』で、またお会いしましょう。バイバーイ」



参考文献

Longer Contact Times Increase Cross-Contamination of Enterobacter aerogenes from Surfaces to Food

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