第二十二話 気重な焦り

 佐山はまた長官室の机に向かい、じっと腕を組んでいた。


 今日も三つの案件とも、何の進展もなかった。


 窓に目を向けると、いつの間にか外はすっかり暗くなっていた。


 さっき見た時は、まだ空が夕暮れに染まっていたはずだった。


 時間が経つのが早く感じられる。


 砂子坂観測所で隕石調査を始めてからすでに一年近くが経過しようとしていたが、まるで昨日のことのようにも思えた。


 そして、明後日には、老中会議の定例報告会がある。


 このままでは、またこっぴどくやられることになるだろう。


 そう思うと、気が重くなった。


 少し発破をかけなければならないかも知れないな………。


 と、佐山がそんなことを考えている折、呼び出し音が鳴った。


 発信者を確認すると、やはり幸恵だった。


 佐山は電話を机の上に置くと、ため息を一つついた。

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