第十三話 探索ー2
ヘッドライトが上下に激しく振れ、枝や草がフロントガラスにぶつかる中、三玲は車を徐行で前進させていた。
道もデコボコで、時折、土にはまってタイヤも空回りする。
それでも行けるところまで進むもうと思っていたのだが、進路を阻むように点在する大きな岩々を見てブレーキを踏んだ。
どうやら、ここから先は歩くしかなさそうだった。
車から下りた三玲は、前方に見える星の配置を確認すると、灯りをつけたハンディライトを手に藪の中に分け入った。
◇ ◇ ◇
獣道すらない森の中では方向が分からなくなりそうだったが、三玲は迷うことなく直進した。
位置関係は完璧に把握していた。
だから、塞き止められて干上がった川の跡をあてにする必要もなければ、道具を使っていちいち座標を確かめる手間も不要だった。
障害物があれば乗り越え、葉や花びらが体にまとわりついてくるのを払いのけながら淡々と前進を続けた。
やがて草むらが途切れて開けた場所に出ると、前方にライトを向けた。
そこには、また三角形状の盛り上がりがあった。
三玲はポケットから再び折りたたんだ紙を取り出して広げ、ライトで紙面を照らす。
【日常の中の奇妙なオーパーツ!? ここはエジプト!?】
それもネットで見つけた情報で、紙面の写真と目の前の三角形状の様相は同じものだと思えた。
三玲は足場の悪い地面に注意をしながら近づき、ライトで周囲を照らしてみる。
すると、どういうわけか、ここにも不自然な箇所を見つけた。
やはり、何者かが側面を掘り崩して穴をあけたような跡だった。
私の他にも、探している人が………?
不可解さを感じつつも、念のために内部を確認してみると、土と石が堆積しているようだった。
これも違うわね………。
アレを見つけようと先回りしている者がいるのなら、こちらも急がなければならない。
三玲は三角の小山に背を向けると、来た道を引き返し始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます