キレると思ったことをド直球に口にしちゃう僕、知らない内にオタクに厳しいクラスの女ボス黒ギャルに大説教した後、ベタ惚れに口説いてヤンデレ化させていた
増殖しないG
エピソード0
あたし、
恵まれた容姿に背もそこそこに高くてスタイルもモデル並。
おまけに黒ギャルなんかやってる分、周囲からは「恋愛経験豊富」だとか「遊んでそう」とかよく言われがちだけど――
ぶっちゃけると、実際はそうではなかった。
こちとら彼氏いない歴=年齢のれっきとした処女、生娘である。
まぁ毎回驚かれるのも何かむかつくし、威厳を保つって意味でも、周囲には内緒にしてるんだけど……。
つーか、逆にあたしから言わせれば、みんな恋愛に生き急ぎすぎてると思う。
そりゃ高校二年生という一番人生が楽しいお年頃で、そういったことに興味津々なのはわかる。現にあたしだって恋バナとか恋愛漫画とか大好きだし。
でもね、恋愛がしたいからってところ構わず誰彼行くのは違うと思うんだよねー。
それにぶっちゃけ恋愛経験豊富って、一見称えられているように見えるけど、実はその分失敗した恋愛がいっぱいあるってことでしょ。敗戦の証しなんてひけらかすだけ馬鹿じゃないかってあたしは思うし、だからこそ本気でない交際に手をつける気になんてなれなかった。
そう、自分が持ってる側の人間だと自覚があるからこそ、恋愛は理想の人とたった一度のみで素敵な恋模様と幸せな家庭を築き、恋愛勝率百%のままドヤ顔で人生を終えてやる。
それがあたし、神崎麗子の人生の目標!
ただね、あたしの理想にがっちと当てはまる男なんて、そうそう都合よく現れるはずはなく――
まぁ世界は広いし、高校生とか限られた範囲しか移動出来ない身分で運命の相手を探し出すって考えがまず間違ってて、やっぱ大学生とか大人になって世間を自由に行き来できるようになってからが本番――
とか、ついこの間まで考えていたわけだけど。
どうもそいつは、あたしがそうだと気付く、二ヶ月も前から同じクラスに――もっと言えば一年も前から同級生としてあたしのすぐ傍に存在してたって言うんだから驚きだった。
初めてそいつを認識した時、顔も普通で背もあたしより低く、おまけにクラスでぼっちの陰キャで、「何だモブか」以外の認識はなかったのに。
席が隣になって、ちょっとした経緯で関わるようになって以来、まさかその認識をまるっと返されられることになるなんて……。
いやまぁ、だからこそ運命の人って呼べる存在なんだろうけどね。ふ、ふへへ。
……おっと、こほん。
んで、まぁ最初は正直どっちかっていうと気にくわないやつって兼ね合いのが強かったんだけど。だって、あたしに面と向かって反論してきたの学校であいつだけで、「陰キャの癖にうざ」って、むかつくなって方が無理だったし。
でも――
「そりゃ心配になりますよ。だって神崎さんは僕の大事な人ですから!」
とか言われて息も切れ切れに窮地に駆けつけられたり。
「神崎さんは美人なんですから、男の人が放っておかないに決まってるじゃないですか!」
とか言われてしつこいナンパから助けられたり。
「神崎さんみたいな素敵な女性を守っての名誉の負傷なんて、どんとこいですよ」
とか面と向かって言われてピンチを救われたりしたら。
もう――
好きになるなって方が無理でしょうううううううううううううううう!!
気がつくとあたしは、運命の相手である山代育真のことが大大大好きになっていた。早く付き合う――いや、とっと結婚して一緒になりたい。
でもさ、それと同時に完璧な人間なんて存在しないってのもよーくわかったよ。
あいつ、「自分は陰キャぼっちです」とか言っといてさ、実は結構な浮気性だったりするんだよねー。
今日の学校だってさ。
清楚なクラス委員長と十五分二十秒。
数学の新任女教師と七分十三秒。
委員会が一緒の後輩女子と五分八秒。
あたしという大事な存在がいるのにも関わらず、合計で二十七分四十一秒も他の女の子とお喋りしてたし。
ね、これって陰キャぼっちの会話時間にしてはおかしいでしょ。
はぁ、ここだけほんと、何とかしないとなー。
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