学童
私は小学校入学と同時に、学童保育所に入った。
1年生から6年生まで、幅広い年齢層が同じ空間にいて指導員も優しかった。
その中でも、中心指導員の若い女性の存在が大きかった。
元教員。でも、1年しか子供を見られないことが悲しくて、せめて6年見ていられる学童保育所に転職した。
大人げなくて、毒舌で、普段は優しいけれども怒ると本当に怖くて。
自分の生きたい道、やりたいことをさらりとやってのける。軽そうに見えて、凄く頭の良い人だった。
私はその人と一緒にいることが楽しく、辛かった。
私とその人は、お互いの両親の性格がとても似ていた。
子供を優秀に育てたいがために、子供に様々なことを押し付け、支配していった。その人は子供時代10個以上の習い事を毎日こなしていたらしい。茶道や華道、水泳、剣道など。私は、運動より勉強を強いられるタイプで、毎日学校の宿題の他に母からドリルの宿題が出ていた。
私も毒舌で、親の性格が似ているからか親のその人と親の話をすると笑って共感するものの、自分を見ているようで、少し辛かった。
でも、その人にはなんでも軽く打ち明けることができていた。
その人と、喧嘩することもあった。
あまり大きな声で言えないが、私が荒れてしまったがためにその人が止めるのに必死になって、殴り合いになったこともある。
もちろん、その人は悪くない。
私は、全く恨んでないしむしろ感謝しているのだが、殴り合いになった時はあざだらけで悪いようにとられることもあった。
それでも、その人は全く嫌な顔ひとつせず私のしたいようにさせてくれ、受け入れてくれた。
今でも、私はその人に感謝の気持ちでいっぱいだ。
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