「泣かない」ではなく「泣けない」

私は、よく泣きたくなることがある。

でも泣けない。

だからずっと泣いて感情を表に出せる人が羨ましかった。本当は泣いていないのに、「泣いた」と嘘をついたこともあった。


演技をする前、小さい頃から何か悲しいことがあっても泣けなかった。

何かにぶつけて、痛い思いをした時には自然と涙が出た。

それ以外ではほとんど泣かなかったので元々、泣く人間ではないらしい。


だんだん大きくなるにつれ、辛いことが増えてきた。

相当、痛い思いをしたら泣いてたのかもしれないが涙腺はどんどん固くなっていた。

私の涙腺が緩むのは、人に慰められて私の感情がピークに達した時。

別に何かなくても、泣いてしまうこともあった。

でも、それは泣きたくない時の涙だった。

この時期になってくると感情移入が活発になってくるはずなのに泣けるドラマや映画、音楽を聴いても全然ダメだった。


泣きたいな。

思いっきり一人で泣き叫んで、スッキリできたらどんなに良いだろう。

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