第15話 アイデンティティ(存在証明)
「ヘーイ、ユーッ、お昼のランチは食べたかい?」心の中のもうひとりの僕が笑いながら言った。
「食べたよ」僕は泣きそうになりながら言った。
僕は今、泣きそうだ。
今日は仕事が休みだ。サッカー選手の香川真司さんの自伝を読んだ。香川さんのどんなときにも全力を尽くす生き方に心打たれた。香川さんはどんな困難な状況でも最後まで諦めなかった。怪我をしても試合に出られなくても、どうすれば状況を変えれるか懸命に試行錯誤していた。その姿に自分を重ね合わせた。僕は気づいた。結構自分も頑張ってきたんじゃないかと思った。香川さんと僕を比較するのはできないことだが、僕も自分の人生を試行錯誤して生きてきた。香川さんはサッカーを通して人生を戦ってきたと思った。サッカーを武器にして人生という戦場を戦ったきた。香川さんの武器はサッカーだろう。じゃあ僕の武器はいったい何だろうか?自分のことが全くわからない。自分の考え方もばらつきがあり、日によって考えることが違う。まるで多重人格者のようだ。僕は自分の武器がわからない。僕はいったい何者だろうか?僕は今、自分のアイデンティティがよくわからない。
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