第5話 すれ違う僕と親

 誰にも姿を見られない夜行列車のような僕


 もう昼の線路は走れない


 見られたくないんだ


 本当の姿を知られたくないんだ


 だから僕は元気なふりをする


 本当の自分は


 暗くて小さいやつ


 でも本当の自分を


 あなたには知って欲しいんだ


 でも誤解の溝は埋まらない


 誰にも期待されないのは


 つらくて情けない


 せめてあなたには期待されたかった


 期待していると言ってほしかった


 この子はだめな子と


 婉曲に言うのは


 やめてほしい


 僕は誰かに期待されたい


 スポットライトを浴びたい


 あなたに見つめてほしい

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