俺と不幸の親和性が高すぎる
名還フェガ
第1話
濡れた窓越しに見る歪んだ景色。特別綺麗とは言えない。というか汚い。マンションの狭い駐輪場と、ゴミ捨て場。その奥には不均等に住宅街が並んでいる。
一応都内に引っ越してきたはずなのだが、地元とあまり変わっていない気がするのは気の
「はぁ」と俺は小さくため息をついて、窓についた
「………」
ドライヤーの
手や顔やYシャツにべったりと付いた血を落としている間に、俺は少し頭の中を整理してみたが、現状を飲み込むことはできなかった。
鏡に映る自分の姿を見て、
ふと、自分の顔がとても険しい顔をしていることに気がついた。
「ふぅ、平常心、平常心。大丈夫、どうにかなる」
俺は心を落ち着かせるために大きく息を吸って、吐いた。頭の裏にチラつく最悪な妄想の数々。そんなもの考えても仕方がない。
俺はチラッと玄関の方を見た。
そこには十分前と同じく、ぐったりと横たわる女子高生の姿があった。
「はぁ……」
俺は大きなため息をついて、あらかた乾いたYシャツを着直した。まだ少し赤い痕が残っているが仕方がない。ブレザーを着たらわからないだろう。
俺、
現在時刻は八時四十分。余裕を持って遅刻ラインを突破している。編入初日なのに。
「はぁ〜……」
もう一度大きなため息を吐く。
どうしてこんなことになってしまったのか。話は約三十分前に
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