二位 『聖ヨゼフの惨劇』 藤本ひとみ
一言でいえば 気鋭少年の大活劇、です。
革命期のフランスを舞台に脱獄を繰り返した主人公の少年ヴィドックは、大罪人ばかりが収容される脱獄者ゼロの評判高い刑務所に投獄される。
刑務所内でヴィドックは得体のしれない臭気を感じ、臭気の正体を究明しようとするが、牢内での人間関係のこじれや裏で暗躍する人物たちの策謀と衝突し、究明は難航する。と、概要はこの通り。
この作品の面白さは、特異な状況でのミステリー、です。
ミステリーと聞くと犯罪を暴き出したり、犯人を特定したり、トリックを見抜いたりだとか悪人を責めるものが多いですが、この小説は主人公も他の登場人物も社会定義上の悪党です。裁かれる側が相手を裁く、この正逆性こそ作品を面白くいしている要因ではないでしょうか。
ちなみにヴィドックは実存した人物で、のちに探偵となりピカレスク小説の原型になっています。
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