五位 『デンデラ』  佐藤友哉

 一言でいえば、姨捨山のその後、です。


 主人公の斎藤カユは七〇歳になり口減らしのために姨捨されるが、捨てられた雪山の中で姨捨を実行しなかった老婆たちに拾われ『デンデラ』という老婆だけの村で困窮した暮らしを余儀なくされます。

 しかしそこは姨捨を回避したユートピアではなく、襲撃派と穏健派の派閥争い、野生動物との戦闘など、穏やかな老後生活とはかけ離れた厳しい環境でした。

 と、概要は書いた通りです。


 この作品の面白さは、あまりにも先が読めないところでしょうか。

 感情移入なんて出来やしないし、老婆たちが次に何をするのか予測がつかない。

 身体は千切れるわ、伝染病が蔓延するわ、籠城が発生するわ、で全く展開が読めない。

 ある程度物語などに触れるようになると次の展開などは大方予測が立ちますが、この作品は例外中の例外でした。

 

 気になる方はぜひご一読を。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る