第1話 深夜の心霊スポットへ

 二人の男女は深夜の心霊スポットへ車で走る。

 アキラが運転している。

 ヒロコは助手席に座る。

 夏の暑い深夜のドライブ。

 ラジオからは次第にノイズが入り始める。

 山の中の心霊スポットへ向かう二人。

「ねえ?」

 ヒロコがアキラに言った。

「なんか聞こえない?」

「え? どこから?」

「後ろから声が聞こえない?」

「は?」

 アキラが運転をやめて一時停止をする。アキラとヒロコが後ろの方を見る。誰も居ない。

「ビビらせやがって」

「本当にだってば」

 そこにラジオのノイズからこんな音が。

 ザザー、ザー、プツッ、ザー、ザー、ザー。

「「聞こえた」」

 二人はとりあえず車を再び走らせる。

 気まずい沈黙。

 二人は確かに、ラジオのノイズから「帰れ」という声が聞こえていた。

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