第14話侑の不思議なお留守番(2)
気を失った侑と強盗犯の二人組は、地下迷路の入り口へと来ていた。
「うーん・・・、ここは地下迷路?」
侑は意識を取り戻して辺りを見回した、間違いなく地下迷路の中だ。
Uが地下迷路へ送ったのか・・・?そして侑を縛っていたロープが解かれていた。
そして二人組も意識を取り戻した。
「ここはどこだ・・・?」
「おれたち、玄関にいたはず・・・?」
「あっ、ガキが逃げてる!」
「捕まえろ!!」
侑はまた二人組に捕まった。
「よーし、今度こそ逃がさないぞ。外に出たら、口封じだ!」
「おい!この扉、開かないぞ!!」
Tシャツの男が扉を力一杯開けようとするが開かない。
今度は二人でやってみたが、扉はびくともしない。
「どうなってんだ・・・?おれたち、ここに閉じ込められたんだ!!」
Tシャツの男が青い顔で叫んだ。
「おい、落ち着け。叫んだって、無駄だろ?」
「じゃあ、どうしてこんなことになったのか分かるんですか!?この屋敷にいたのは、おれたち二人とガキだけですよ!」
Tシャツの男はパニックになっている、ひげの男にもどうしてこうなったのか、説明ができない。
『それではこれより、地下迷路脱出に挑戦するゲームをします』
「おい、だれかの声が聞こえたぞ!」
「この声は、Uだ!」
侑は大きな声で言った、二人組は辺りを見回しているだけだ。
「おい、Uって何者だ!?」
ひげの男が侑に詰め寄った。
「この地下迷路の主だよ、ぼくたちはUによってここへ連れてこられたんだ。」
「なんだって、そんなバカなことが・・。」
『バカなことではない、全て事実である。元はといえば、そこにいる二人が侑に危害を与えようとしたことが、この私を怒らせたのだ。よって、これから二人にはこれからやる謎解きに、強制参加してもらう!!』
「おい、謎解きってなんだよ!!」
「おれたちは、ここから出られないのか!?」
『出られるか出られないか、それは侑しだいだな。それでは、この地下迷路の中で苦しむがいい。』
そしてUの声がとまった。
「なあ、頼む!おれたちをここから出してください!」
「さっきは脅して悪かった、だから地下迷路から出るために力を貸して欲しい!」
二人組が侑に土下座をして頼み込んだ。
「・・・もう、ぼくを消したりしない?」
「ああ、約束する!」
Tシャツの男が殺さないと約束するため、持っていた包丁をポイッと投げ捨てた。
「じゃあ、行こう。足元に気をつけて、ついてきて。」
こうして侑は二人組を連れて、地下迷路の奥へと進んで行った。
曲がりながら進んでいくと、一枚の紙が落ちているのを見つけた。
侑が紙を見ると、そこにはこんな問題が書かれていた。
『交番・畑・老人ホーム・スーパーの中で、地図に載らない建物はどれ?』
そして侑と二人組の目の前には、四つの箱が置かれていて、交番・畑・老人ホーム・スーパーの絵が書かれていた。
「この中から、正解の箱を選んで開けろということか?」
「そうみたい、ちなみにハズレの箱にはダイナマイトが入っていて、開けると爆発する仕組みだって・・・。」
「なんだと!?それじゃあ、正解を開けないといけないじゃないか!」
「でも、地図に載らないってどういうことだ?どれも建物だから、地図に載ってもあり得なくないんだが・・・。」
侑と二人の男は考え込んだ。
「そういえば、地図に載っている畑ってどんなふう?」
「地図・・・、そういえばスマホを持ってきているんだ。これで見れば・・・あ、車の中に置き忘れた。」
「何やってんだよ!こんな肝心な時に・・」
ひげの男がTシャツの男に文句を言った。
侑の目にTシャツのマークが目についた。
「地図・・・マーク・・・、地図記号!」
「何かわかったのか!?」
二人組が同時に侑に言った。
「地図記号だよ、この問題は地図記号にない建物を当てるんだ!」
「おお、確かに畑や田んぼは地図記号になっているよな。」
「田んぼはある、交番もある、老人ホームもある。スーパーは・・・、無いな。」
「ということは、これだ!」
ひげの男がスーパーのマークがついた箱を開けた。突然のことに、侑は耳を塞いだが、箱は爆発しなかった・・・。
「ふぅ・・・、助かった。」
「おい、箱の中にこれがあったぞ。」
ひげの男が持ってきたのは、一本のダーツの矢だった。
「これが何の役に立つんだ?」
「でも、持っておいた方がいいよ。もしかしたら、理由があって箱の中に入っていたと思うよ。」
「そうだな、よし先へ行こう!」
そして侑と二人組は先へと進んだ。
するとその先にあったのは、ダーツの的が四つと立て札があった。
立て札にはこんな文章が書かれていた。
『2と8をそれぞれ日本語と英語で、文字にしなさい。(この82ぐは、美味しい)』
「えっと、8は英語で2は日本語で読めということは・・・、このエイトにぐは、美味しい・・・あれ?」
「何か訳がわかりませんね、これは一体どういうことなんだ?」
そして四つのダーツにはそれぞれ、文章が書かれていた。
1・はちつー
2・はちに
3・えいとにー
4・えいとふ
そしてこの四つの的の中から、一つの正解を選んでダーツを放てというのが謎解きなのだと、侑は悟った。
果たして正解はどれなのか・・・?
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