第50話 天使のてんちゃん書き初め

天使のてんちゃん 書き初め 


元旦初日の日だった。

子供たちに書き初めをさせてあげることにした。簡単にたんぽぽという見本をあげたが、子供たちは好き勝手に絵を描いたり、墨で顔を塗ったりして遊んでしまった。


「あー。神様まだ早かったですかね」


ぐちゃぐちゃの様子に女神様と神様は片づけが大変だと苦笑いをした。

まあ、子供たちが健康に過ごせれば何よりである。書き初めの片づけをしていたら凄い達筆な字で「世界平和」と「神になる」という2枚の字を見つけた。


「あれ?これは神様が書いたのですか?」


女神様は不思議そうな顔で神様を見た。


「いや・・・」


神様が首を振るとそこへ、てんちゃんがひよこひょこ来てにっこり笑った。


「それ、てんちゃんが書いたんでしゅ」


二人ともビックリして顔を合わせる。


「へー。良く世界平和って書けたね」


「そうでしゅ。今年は早く世界平和になればいいでしゅ」


うん。そうだね。戦争のない年になるといいね。


「で、こっちの、神になるは?」


「それは、てんちゃんの野望でしゅ」


うん。こっちは絶対阻止せねば・・。てんちゃんが神になるのは止めよう。

まあ、なんにしてもなかなかスタートのいい日になった。


                                 おわり

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