星が落ちた話

浅野浩二

星が落ちた話

ある夏の日、僕は、昼ごろまで、家の中で、寝ていた。

外に出ると、猛暑なので、何もする気が起こらないからだ。

しかし、僕は、勉強するために、図書館に行こうと思って、家を出た。

すると、びっくりした。

なぜなら、家の庭に、2mほどもある、巨大な、ヒトデ、が、あったからだ。

ヒトデは、みな、知っているだろうが、☆の形である。

一体、何なんだろう。

これは?

なぜ、僕の家の庭に、こんな巨大な、ヒトデが、あるんだろう?

僕は、おそるおる、ヒトデに近づいてみた。

すると、ヒトデが、驚いたことに、人間の言葉を喋り出した。

「おどろかしてゴメンね」

僕は、ヒトデが、人語を喋ったので、驚いた。

「君は、一体、何物なの?」

僕は聞いた。

「僕は、空に輝いていた、星なんだ。でも、空にとどまっていることに、失敗して、落っこちてしまったんだ。それで、地面に落ちた時、腰を打ってしまって、打撲して、痛くて、動けないんだ。イテテ」

☆は、そう説明した。

なるほどな、と、僕は思った。

「ちょっと、待ってて」

そう言って、僕は、家の中に戻った。

そして、冷却スプレー、と、湿布と、痛み止めの、ロキソニンを、持って、庭に出た。

そして、☆の腰を、冷却スプレーで、冷やしてやり、湿布を貼ってあげた。

そして、☆に、ロキソニンを飲ませてあげた。

すると、☆は、

「ああ。有難う。おかげで、痛みがなくなりました」

と言った。

☆は、よっこらしょ、と言って、起き上がり、立ち上がった。

☆は、二つの突起で歩くことが出来た。

「よかったら、家に入って、休みませんか?」

僕は、☆に言った。

「ありがとう。では、少し、休ませて下さい」

☆は、二つの突起で歩いて、僕の家の中に入った。

家には、妹がいた。

妹が、パタパタと玄関にやって来た。

妹は、☆を見ると、びっくりした。

まあ、当然だが。

「こんにちは。じゃなかった。はじめまして」

☆は、妹に挨拶した。

「お兄ちゃん。何なの。これ?」

妹が聞いた。

「これは、空に輝く☆さ。でも、空にとどまっていることに、失敗して、落っこちてしまったらしいんだ」

と、僕は、妹に説明した。

「まあ。そうなの。可哀想に。ゆっくり、休んで下さい」

妹が言った。

「ありがとう」

「お腹、空いていませんか?」

「・・・・・」

☆は答えなかった。

妹は、カップラーメンに、お湯を注いで、3分、待って、☆に渡した。

「はい。どうぞ」

「ありがとう」

☆は、礼を言って、カップラーメンを食べた。

二本の突起を、手のように使って。

「ああ。美味しい。美味しい」

と言いながら。

「少し休んで、体力が戻ったら、空に帰ります」

と、☆は言った。

「ええ。体力がもどるまで、ゆっくりしていって下さい」

僕は、☆に言った。

・・・・・・・・

しかし、不幸なことに、☆が、僕の家に、落っこちているのを、見てしまった人がいたらしい。

その人が、☆の存在を、ネットで、発信してまったらしい。

☆の存在が、ネットで発表され、それが、マスコミ、政府、学者たち、に知られてしまった。

生物学者たちが、僕の家に押しかけて来た。

「貴重な生物を、あなた達は、かくまっていますね。研究のため、どうか、我々に、引き渡して下さい。お礼はします」

生物学者たちが言った。

僕は、ベッドで寝ている☆に、そのことを、話した。

「お願いです。僕は、星ですから、空で輝いていたいのです」

☆が、そう言うであろうことは、僕も予想していた。

僕は、玄関に出て、学者たちに、

「貴重な生物なんていません」

と言った。

「それは、ウソでしょ。貴重な生物は、人類の学問の研究のための財産なのです。どうか、引き渡して下さい」

学者たちは、ガンとして、僕の言うことを、聞いてくれなかった。

数日後、ガラの悪い男たちが、僕の家に押し寄せてきた。

パンチパーマ、や、角刈り、で、サングラスをして、頬に傷のある、男たちである。

「何ですか。あなた達は?」

「どけっ」

彼らは、ドカドカ、と、土足で、家に入り込んできた。

まず、ヤクザだろう。

政府が、ヤクザを使って、☆を捕まえにきたのだろう。

彼らは、☆を、見つけると、4人ががりで、☆を無理矢理、引っ張って、連れ去ってしまった。

☆は、「いやだ。いやだ」、と、抵抗したが、4人の男たちには、とても、かなわなかった。

翌日。

新聞に、「巨大ヒトデ発見。東大生物学研究所で、研究中」、という記事がデカデカと載った。

僕は、☆を何とか、助け出さねばならない、と思った。

それで、夜中に、東大生物学研究所に、こっそりと、行った。

幸い、警備員は、一人しかいなかった。

僕は、こっそり、警備員に近づいて、持ってきた、金属バットで、警備員の頭をぶっ叩いた。

警備員は、失神してしまった。

僕は、研究所の中に入った。

☆は、逃げださないよう、檻の中に閉じ込められていた。

「さあ。助けに来たよ。☆君。逃げよう」

「ありがとう。助かった」

こうして、僕は、☆を連れて、研究所を出た。

そして、いそいで夜道を走って、僕は、☆を、家まで、連れ帰ることが出来た。

「ありがとう。じゃあ、僕は、空へ帰るよ」

☆は、勢いよく、夕空を飛んでいき、夜空の中で、一際、美しく輝いた。

☆、は、幸せになったことが、嬉しくて、その、お礼に、嬉しそうに、輝いているのだろう。

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星が落ちた話 浅野浩二 @daitou8

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