イイヤツラ

尊(みこと)

第1話

僕は信頼できる人はいない。

この配信をはじめてからみんなが離れた気がする。





それは、2週間前の24時間配信のときのこと。僕たちのチーム、イイヤツラは必ず2人以上で配信をするという約束がある。その日は全員枠以外の僕が出る配信はもう終わっていた。

僕以外の3人が配信をしていた。


「うえーい!」

武乃華の元気な声が響いた。


始まった!

やったー!まってました!

ナノちゃんはいないんだねー!

ナノちゃんきらーい

は?!

「はいはい、コメ欄で喧嘩しないの」

「と、いうことで。どうもー、始まりました。イイヤツラ24時間配信ののみいふく枠でーす」

「相変わらず名前長いな」

「だってー!どこ略すかわかんないんだもん!」

「確かにw」

「なんかいい案ある?」


そのままがいいじゃん

そのままだからいいんだよ

みんなサイコー!

ナノいないから楽しい


「はいはい、じゃあもう、ののみいふく枠でいいね!」

「うん!」

「じゃあ今日は…」



配信がどんどん進んでいくちょこちょこのアンチがつらい。そりゃあアンチがいるのは当たり前。でも、明らかなみんなとの差…

そして、調べてしまった。


イイヤツラ 人気ランキング

と、



イイヤツラの人気ランキング投票結果は…!

1位のの  30%

2位りふく 26%

3位みいた 24%

4位なのと 20%


圧倒的なののちゃんですね!





あぁ ののなんだ…









僕達は小学生から仲が良くて連絡も途切れずに働けるまでにはなっていた。


「バイトしたいのに雇ってもらえなーい」

「俺もー」

「僕もー」

「それなー」


みたいな日々だった。

僕は小学生のときからみんなとの話が楽しくてみんなが面白くて、

「こんな配信者さんいたらなって」

ってずっと思ってた。だから、みんなに誘った。したらみんなすんなりOK、気づいたらみんなでワンマンライブを開けるほどの力がついていた。


でも、力がついたのは僕以外。僕だけはみんなとの差を感じるほどアンチが多かった。初めは「まぁ、こんなもんか」って思ってた。でも、もう今は…











ピンコン!





「あ、」

僕はスマホを開いた。





「みんな暇ー?」

ののからのメールだった。

すると1分も立たないうちに

「暇」

「いやそれな!?」

と、メールがはいっていた。

「ナノは?」

「暇だよ!」

「オッケー、あのさ、遊び行かない?」

「いく!」

「いく」

「いく」


そして、みんなで遊びに行くことになった。


「ひさしぶりにここ来たわー」

「俺初めて」

「僕も」

「へー俺、毎日来てる勢」

「マジかw」

「猛者かよw」

「www」



でもやっぱりみんなといるときの楽しさは変わらない。

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