第3話 貴族のお偉いさんは得をする
森に捨てる!?
そんなことがあっていいのか!?
それがこの世界の常識なので仕方がない…訳はないよね!?
日本人からすると犯罪を国が認めているみたいなものになるよ!?
心の中でそう捲したてると司祭が…
「なるほど…どうりで魔力量が多い訳だ」
と、一言。
さっきの態度はどこに行ったんだ!?
…あとから知ったが、基本的に魔力量が多いと属性が1つであるか、無属性かのどちらかがほぼ確定しているようなものらしい。
「あぁ、そいつは元々俺たちの息子ではない!魔神の配下だ!」
残念ながら血縁関係はあるんだよな。
魔神に関しては…よく知らないが多分悪いやつだろう。
「えぇ、処分の方はあなたがたに任せますわ!」
こいつらは極度の宗教マニアで頭のネジが数本外れているということが今確定した。
あ、ちょっと騎士の方々!やめてー!
それはそうと、この両親はろくに子育てもせずに全部メイドたちに任せていたので、自分も相手も、愛着も何も無い。
何も無いが、本当に森に捨てられるとなるとマズイ。
てっきり、風の判定が下されると思っていたから風についての知識しか頭に入れていない。
知っていても両手で数えられるくらいしか知らないのだ。
あの水晶に写った文字は【反射】。
これは何を示しているかというと「固有スキル」だ。
でも、それはユノワルドでの文字が浮かぶはず…。
ま、十中八九前世の記憶持ちが原因だろう。
そうこうしているうちに荷馬車の中に縛り付けにされてぶち込まれた。
え、これ死ぬの?また?…嫌だ嫌だー!
…まぁ、死ぬ気はさらさらないけど。
この世界ではあまり知られていないが、魔力量は成長する。
魔力枯渇を繰り返すことで容量が増えていくのだ。
その段階で無属性が使えることは分かっていたが、まさかそれだけだとは思わなかった。
「着いたぞ!おい、出てこい!」
ハイハイ。
出ればいいのね。
「って、貴族のお偉いさんか。これまた災難だったな。無属性持ちは奴隷堕ちか、森に捨てられるかの2択だからな」
話しかけてきたのは冒険者っぽいおじさん。
「うーん、そうだな。これやるよ」
そういって割とどこにでもありそうなロングソードを投げてきた。
「これで多少は生き延びられるだろ?隣町にでもいって、冒険者にでもなれば生きることぐらいはできる」
確かに生きることは出来るかもしれない。
だが…
「なんでそこまでするんですか?」
「ん?俺も元々貴族の出だからな」
え?
その割には口が悪くないか?
気になって聞いてみると―
「俺も無属性持ちだ。だから代わりに剣を鍛えた。そして冒険者になったらこの口調になっただけだ。お前も剣を鍛えれば多少はマシになるだろ」
―なるほど。
実際聖神以外にも剣神というものがいる。
最早、剣技ではなくて魔術と大して変わらないとかなんとか。
貴族のお偉いさんで良かった。
「お心遣い感謝します」
「ハッ!ま、頑張れよ。上には適当に報告しといてやるよ。じゃあな」
だが、僕は聖神を目指している。
そのためには無属性を極めて聖無神を新しく作ってもらおう。
そう思い、森の中に足を踏み入れていった。
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こんにちは。
抹茶嫌いのmattyanです。
今のところハルト君しか名前がついてないです。どうしましょう。
ここはやっぱりヒロインを登場させるべき…?
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