第2話 いくらなんでもそんな扱い無くない?

 異世界転生ものでステータスが開示されるところと言えばやはり教会。

 もちろんユノワルドでも同じ方法だ。詳しい内容は後で説明するとして…。


 この場には今色々な貴族がいる。

 僕の親は曲がりなりにも…まぁ、色々な理由はあるのだが、聖風神を輩出しているので大公に任命されている。


 ここで爵位についてよく分からない人について端的に説明すると、上から公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵となっていて、大公に関しては国に貢献しているとみなされている家系に送られる場合がこの世界では多い。


 さて、そんな話をしているうちに、僕の番がそろそろやってくるようだ。


「はい、君は…土だね。誠心誠意尽くすように」


「はい!」


「君は…火と水!?ダブル持ちだぞ!?」


「やったぁ!」


 この世界では基本的にひとつの属性しか得られない。

 ま、1人が多くの魔術が使えたら大問題か。


「貴方は…!ウィンド家の…!?」


「はい、この国に尽くすためにこれまで努力をして参りました。父に聞いたところ魔力量はなかなかあるとのことでしたので、内心はとても期待しています」


「はっはっはっ。ウィンド家のご子息様ならオールも夢ではないかもしれませんな?」


 オールというのはそのまま全属性に優れたという逸材も逸材だ。

 これまでに何世紀と測定していても1人いるかいないかくらいなので、お世辞であろうことはそれこそ平民でも分かる。


「それではお願い致します」


 そう僕が告げると司祭の方はいかにもな水晶玉を差し出してきた。

 そこに魔力を注ぐと色が変わっていく…ことはなかった。


 代わりに─




 ─前世でよく見た日本語が出てきた。


「なっ…日本ごっ」


「まさか、無属性だと!?それになんだこのよく分からない文字は!?」


 そう捲したてると周りの貴族がこちらを向く。


「えっ…無属性?」


「あの方ってウィンド家の…」


「貴族の面汚しめ…」


 この世界では無属性は神に祝福されていないとされ、まるで忌み子のように扱われていた。

 貴族の子息たちが反応するのを待っていたかのように両親が出てきた。


「おい、ハルート。お前が無能なことはかなり前から分かっていた」


「えぇ、なのでこの機会に貴方を森に捨ててしまおうかと」


「なっ…」


 これだから曲がりなりにもなのだ。

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