腫れ物の夜雨他
サトウ
第一夜
盲目的に書かれた命の
とめどなく溢れる命の螺旋。破り捨てた理想がまた私に降りかかる。
私が愛した私は消えて、ああどうしてなのだろう。
不味い、不味すぎる。あの列車に乗り遅れてしまう。ここは−12番線だ。僕の乗る番線はもっと大きな数値の番線だった筈。どうして今日に限ってこんなにも荷物があるのだろうキャ。キャリーバッグの転がる速さに身を任せ、僕は線路の上を駆け抜ける。
「こいつは特急より速いや」
ダレに聞かせるでもない独り言である。ホームの乗客は僕をじっと見つめている。おっと、ハットが飛んでいきそうだった。危ない危ない。
おお、そろそろ目的地に着く頃か。熊がそう私に伝えてくれた。持つべきものはやはり、熊である。もちろん異論は認めない。ああ、くまさんや、寒いのに本当にありがとう。お礼に後で熟れたお肉を差し上げ
飢えはこんなものでは乾かない。もっともっと素晴らしいものでなければなりません。そう、あの
ああ、やっとお会いに来てくださったのね。キャスターをカラカラと鳴らしながら、そんなに急いで。さあ、パーティーをしましょう。
「あなたも来るでしょう? さ、ポケットの招待状をお出しなさい。ワタクシはちゃんと招待した人の顔を覚えていますからね?」
女の目は、やけにギラリとしていて、獣が獲物を狙うときの、
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