5-12.ハピエンまでの紆余曲折、そして完結
5-12.さびしいよ
前回の後半あたりから、お話の本筋としては完結していて、ここらへんはクライマックスの下り坂になりますね。最後の着地点を決めるパートです。
恋愛ファンタジーなので、ふたりの恋の結末がそのまま、お話の結末になります。今回はほかの自作にくらべると伏線をすくなめに、話をシンプルにとしてきたので、あとはふたりのラブを無事着地させるだけなんですが……これがけっこう、難しかったです。
何回か書いているように、私はクライマックスまではプロットを立ててわりと綿密に構成しますが、ラストは書いているときの流れに任せるタイプです。そのほうが自然な、良い結末になると思うからです。
もともとはきちんとしたハッピーエンドにするつもりで書き進んでいたものの、フィリップに裏切られたジェイデンの悲嘆と、それを見たスーリの反応から、ふたりがここでなにごともなく恋を成就させる方向にはなりませんでした。第一稿を完成させたときに、このふたりが抱きあって別れるというラストを書いてしまい、ちょっとびっくりしました。基本的にカップルがくっつく結末しか書かないもんで、まさかのお友だちエンドかぁ~~!ってなりました。
読む人ががっかりするだろうな~とか、そもそも自分がこの結末に納得できるのかとか、いろいろ考えましたよ。
でも、なんどか見直してみたもののやっぱりこのラストが一番しっくりくるので、しかたなく、お友だちエンドを受け入れることにしました笑
そうなると腰をすえて、なぜこのふたりがくっつかずに終わるかを納得できるように、かつ情緒的にも盛り上がるようにする方向へ。敬愛していたフィリップに裏切られたジェイデンの悲しみがズンドコになるようにあれこれと工夫しました。回想っぽくフィリップのセリフをはさんだり、スーリが涙したり、そういう部分ですね。
かつてのスーリもおなじような悲しい経験をしていました。ここでふたりはようやく、おたがいのことを理解しあえる手がかりのようなものを得た気がします。ただ同時に、おたがいへの愛情をたしかめあうには傷と悲しみが大きすぎるということにも気づいてしまったようです。いまはまだ……というところですね。でも、ふたりの会話をよく読めば、かれらの未来に希望があることはわかってもらえるんじゃないかと……。
個人的にはこういう悲しい結びつき、けっこう好きなんですが、恋愛ものとしてうまく着地させるには重すぎた感がありましたね~。
それと、私はこういうムーディーな(?)場面を書くときにポエミーでモノローグ過多になりがちで、そこのかじ取りもけっこう苦労する部分でした。ポエムとモノローグ、書くのは楽しいんですけど、読者からするとわかりづらいですもんね。改稿するときはたぶんそこも削るだろうと思います。
ジェイデンがかれの恋心を「椅子をおくための場所」と表現していたり、スーリの「白いメンフクロウの姿になって」というセリフ、それからラストの鳥瞰でのカットは気に入っている箇所でした。
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