5-4.時間制限をつくる
5-4.男たちの思惑
ジェイデン、兄ジョスラン、フィリップ伯の三人が王都の動きについて情報交換しあう回。クライマックスにいたる伏線もあります。
不仲な様子のジョスランとフィリップ。クライマックスに必要ないさかいなので、ここははぶけません。
「おや。あなたは王宮にまで『耳』を飼っていると評判だが」と、フィリップにスパイがいることをほのめかすジョスラン。フィリップはさりげなくかわします。これ、じつは最後まではっきりと明かしてはいませんが、パトリオのことでもあります。フィリップの立場からして、ほかにもスパイは飼っているでしょうけど。
フィリップは国境の領地を守る将軍という立場を生かして、隣国から有能な魔女を亡命者として保護し、自分の駒として使っていました。パトリオもそのひとりですし、スーリもそうなる可能性はありました。ここは最終話に書いておいたほうがいい情報でしたかね。
ジェイデンにふってわいた王都の縁談話。しかも兄王子からスライドされてきたという話で、おだやかではありません。
ここは「王都に呼び戻されるジェイデン(=ラスボスにとって犯行までの期限ができる)」という構図のための口実なので、べつに縁談である必要はありませんでした。アップまでにほかにいい案を思いつかなかったのでそのままにしてあります。第五話の緊迫感を高めるには、もっとほかの口実がよかったかもしれないなーと思います。ただ、この縁談自体は第二部で使えそうなので、ちょっと弱いですがこのまま残すつもりです。
フィリップが「明日にしなさい」といい、ジェイデンもなぜかそれにしたがうことになります。このフィリップの圧については、後半を読んでもらえばわかるように、魔法の力ですね。
ラスト、ふたたび出てくる「あの男」=悪魔。
もうちょっとくわしくいろいろ書いていましたが、けっきょく削って、「明日だ」と言わせるにとどめています。登場人物をそそのかす悪魔っていうの、演出としてはおもしろいですけど、今回は本筋にはかかわりありませんからね。
ただ、悪魔がだれかに力を与えているという描写は、ラスボスのヒントになりますので、念押しで出した部分もあります。
フィリップと、さらに悪魔にも「明日だ」と言わせることによって、作中のクライマックスにむけての時間制限を作りました。これもわりと直前で思いつきましたが、初稿から考えておくべき部分でしたね。
ラスト。絵として『目』ががっと出てくるのはけっこう気に入っています。このために第一話でバーバヤガにも『目』を使ってもらいました。暗闇を切り裂くような巨大な目。絵として映えますよね。
ちなみに、『目』は作中では、精神操作系の魔女を示唆する小道具でもあります(バーバヤガを思いだしてください)。悪魔の正体についても、ここで一部わかるということで。
またネタバレを書く西!
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