2-3.事件のインスピレーション
2-3.ふたりめの依頼人
さて、本題の「失せもの探し」がここからはじまります。イドニ城でフィリップにつかえる従僕、クルムが依頼人。
身の回りで、自分の持ちものが次々になくなる……そしてついには、主人の大切な印章指輪までなくなってしまった、と憔悴した様子で語ります。
コメンタリーなのでネタバレ承知でお読みいただいてると思いますが、この話の元ネタは、リストラの方法としてなにかの記事で紹介されていたものです。「相手に気づかれない程度の小さないやがらせをくり返し、相手を精神的に追い詰める」という。で、具体的な方法として、この「ちょっとした持ちものを隠したり、また戻したりする」っていうのがあったんですよね。
手法の陰湿さもさることながら、びっくりしたのは、それが「こういう事例があった」という一件ではなく、マニュアルとして大々的におこなわれているという記述でした。そこにこう……なんというか、組織的におこなわれることで陰湿さが洗浄されるというか、そういうものを感じてすごく印象に残っていたんでした。
今回、この話を書くにあたって該当の記事を調べようと思ったのですけど、検索ワードが悪いのか、あるいは時間が経ちすぎてしまったのか、見つけることができませんでした。その
そういうわけなので、被害者のクルムにあまり感情移入されてしまうと結末が後味悪くなってしまいます。なのでなるべく……こう、平凡な描写をこころがけました。
そうは言っても後味悪いですけどね。
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