1-3.序盤で重視していること その3

1-3.流される薬草医と押すコミュ強、出会いのきっかけ


1-3は、これまでの話題の補強と次の話題への橋渡しになります。屋敷内の会話から、実際に老婆を探す動きへの遷移ですね。起承転結でいえば承のはじまりかな? でも、そういうふうに意識しては書いてません。前にもどこかで書きましたが、お話を作るときに骨子として考えるのはクライマックスの部分だけです。あとは、書くべきエピソードを並べて書いていくだけですね。


それと、重要なキャラは話のなかだけでもこの回までに入れようと思ってました。フィリップ伯と、あと弟くんですね。弟の発言をスーリが思いだすという形で、このあとの回でもたまに出てきます。お笑い要素のひとつに見えますが、じつは伏線でもありますね。


ところで、あんまり重要なパートではないですが、主役ふたりのこの会話:


”「きみの役に立ちたいんだよ、かわいい白魔女さん」

「ゲロが出そう」

「ここに出していいよ」“


ここ、ちょっと好きです。


ジェイデンはコミュ強という設定ですが、単なる陽キャではなく、ちょっと底知れないところがあります。不気味というほどではないですが、愛が重いというか。そこが、この会話に出てそうな気がするので。


■「裁判権も初夜権もない、ただの三男」


このセリフで、なんとなく中世っぽい重い空気感を感じてもらえればいいな~と思います。裁判権はそのとおり、裁判をおこなう領主の権利、初夜権もそのとおり、領地内で婚姻をむすぶ女性と床をともにする領主の権利です。


実際にこの世界のこの地域では、フィリップ伯に裁判権があります(領主ですからね)。初夜権はありません。フィリップが設定すれば存在しうるかもしれませんが、彼はそういうタイプではないので。この国のどこかには、裁判権も初夜権も行使する領主がいるかもしれませんが、それはうっすらと文中にただようくらいでいいかなと思ってます。


フィリップはいい領主だし、有能な将軍なので、文中にさりげなく出せるときは出してます。


■『ご禁制の森』


これも中世っぽい雰囲気かなと出した言葉です。


一帯はフィリップの領地になりますが、この森の一部だけは王領地となります。ここにジェイデンやその他の王族たちが狩りに訪れることが、話のスタートとなるわけです。


くわしく書くとそれだけ話にリアリティが出る部分ではありますが、ラブとは遠ざかってしまうので、さらーっと書きました。


この森の全景は隣国サロワとも接しており、戦略的にも重要な場所になります。そのへんはじょじょに出していくつもりでした。

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