タイプA
ゴリラ
第1話
みなさんこんにちは。
僕の名前は佐藤利夫(さとうとしお)20歳。何の変哲もない一般男性です。
趣味は漫画とラノベとバドミントン。運動はまあまあ得意な方だと思います。
さて、僕は今どのような状況になってると思う?
そこの君、5秒以内に答えてたもり。
カウントスタート。
5、4、3、2、1、ゼロ!! ハイ時間切れ!! 残念ながらはずれです。
正解は・・・・いかつい冒険者に絡まれています。
いやーまじぱないって。ほんとぱないって。なんていうかぱないね。
びびってちびっちゃうよ。
「あんちゃん、この辺じゃ見ない顔だな。ちょいとツラかしな。きちんとここのルールをおしえてやるからよ」
冒険者登録してよしがんがんいくよーと気合をいれてたら絡まれました。
これは、あれだね、あれ。よくあるテンプレ。僕はラノベをたしなんできたからこういうのには慣れてるんだ。
それにしても強面のおっさん口臭いなー。
ここはガツンとかましますか。
何事も最初が肝心だよね。
「す、す、す、すいません、これから依頼を受けたいと思いますので、後にしていただけないでしょうか」
やべ、びびって少しどもっちゃった。
恥ずかしー。す、す、す、すいませんって、飼い主の声をまねするインコみたいなしゃべり方になっちゃったよ。これじゃコミュ障って周りに思われちゃうかも。
「そういわずに、な。悪いようにはしなから」
これは完璧に目をつけられてしまった。誰か助けてくれ!。
そう思って周りを見渡しても誰も助けに来てくれそうにない。
なんて薄情な連中なんだ! みんな今日1日、下痢になってしまえ!
最後の希望だと思って、さっき冒険者登録をしてくれた受付のお姉さんの方を向くけど、素知らぬ顔で他の冒険者の対応をしている。
くっ、受付のお姉さんは靴づれで1日足元に意識を向け、絆創膏を張ろうとかがんだ拍子にみんなにパンツでも見られてしまえ!
ダメだ。こうなってくるともう誰も頼れる人はいない。僕の力でここを切り抜けないと。
僕は相手の雰囲気飲まれないよう気合を入れて答える。
「ママに知らない人にはついて行ってはいけないと教わりましたので、勘弁してもらえないでしょうか」
「お、おう。母親にそういわれたならしかたないな」
強面のおっさんは簡単に引き下がっていった。
よしっ! やったぞ!
これぞ作戦名、ママに怒られる・・・だ。
あえて自分の身内の名前、ここではママを出すことによりそっちに相手側のヘイトを向けて、自分はいやいや断っていると雰囲気を醸し出すことができる高等テクニックだ。
このテクニックは上級者向けだから初心者は手を出してはいけないよ。
初心者におすすめなのは、トルコアイス作戦だ。
相手に返事を求められたら、あー、とか、うーんとか言って会話自体をうやむやにするんだ。トルコアイスが如く相手への返事をのびのーびさせることによりこいつと会話しても意味ないな、と思わせるんだ。
もしよかったら冒険者に絡まれたときにでも使ってみてくれ。
こうして、僕は無事に作戦名ママに怒られる・・・を遂行して、強面おっさんとのからみを掻い潜ることができた。
自分で自分の才能が恐ろしい。もしかしたら、僕は役者の才能があるのかもしれない。こっちに来てなかったら、映画デビューも夢じゃなかったな。
そんなことを思いながら、クエストが張り出されている掲示板に行く。
ここで、僕ができそうなクエストを探そう。
初めてのクエストだ。絶対に失敗は許されない。
目を凝らしてクエストを確認する。
Fランククエスト ゴブリン3匹討伐
Fランククエスト ホーンラビット5匹討伐などなど。
僕はたぶんAランク?ぐらいだと思うからこれにしよう。
Aランククエスト レッドドラゴンの討伐
やっぱり異世界と言ったらこれだよね。ドラゴン!
ドラゴンはドラゴンでもレッドドラゴンだから、多分リオ○ウスみたいなもんでしょ。
僕、モンハンでレウスキラーのトシちゃんと、みんなに言われるくらいには狩ってたんどよねー。
装備のレウスセットは赤、蒼、銀、各種ハンター用装備とガンナー用装備と各種武器も作成済み。大変だったんだから。宝玉集めるの。
ちなみに防具の色はレインボーに決めてたよ。僕はおしゃれさんだからね。
こんな僕にかかればリオ○ウス討伐、おっとレッドドラゴンだった、の討伐は朝飯前、いや晩飯前だね。
ブラックドラゴンとかだったら流石に受けないけど。ブラックドラゴン。
ミラ○レアスとかムリゲーでしょ。ムリゲ―。
てなわけで僕は早速レッドドラゴン討伐のクエストを受けるため、ボードに貼ってあった紙を持って受付に行った。
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