今夜も、パスカルに相談する

羽弦トリス

第1話ビールを飲みながら話す事

今夜は定食屋で、友人と瓶ビールを4本ほど飲み、ほろ酔い気分で帰宅した。

友人は顔を紅くして、布団にくるまる。

僕は酔い冷ましに、アイスコーヒーを飲む。何の為にビールを飲んだのか、分からないが飲めば素面では話せない事もある。

僕は酔うと人生哲学なるモノを話す。

しかしながらバカだから、深い話しは出来ない。単なる酔っぱらいの愚痴にも聞こえる。


友人はトランスジェンダーである。そっち方面の話しをする事が多い。

性を越えての会話は、神聖な領域に足を踏み込んだような気がしてならない。

MtFの友人だが、普通の女性として接している。

彼女の切実な訴えは心に染みる。

僕は思う。世の中のジェンダー問題は結局はこういう切実な訴えを前向きに肯定し、受け入れる事にある。


好きな人と一緒に過ごす事の有り難さを心の底から感じる事がある。

嫁さん、子供を心の底から愛している。

しかし、それが普通とは限らないのだ。

色んな性を越えて恋愛するのは、僕が家族を愛するように、普通に存在すべきだが今の社会はそれを理解しているとは言えない。

まあ、昔よりは理解も深くなったがまだまだである。

僕は友人の話しを真剣に聴く。

彼女もまた、悩める人間なのだ。今夜は夜遅くまで語り合おうではないか。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る