もし、私が日本文化評論家だったら、『転生物語』を分析してみる。
星河語
はじめに
最近、やたらと転生する物語が
『転生したら○○だった。』『死んだはずが転生していた。』何かで死んだ○○は気がついたら、どこそこに転生していた。ある日、突然、前世の記憶を思い出し、ここが○○ゲームの世界だと気が付いた。そして、異世界で“チート”だの“スキル”だのを使用し、魔法を使い、楽に生きていく。
しかも、最近の転生物語は異世界の実際に存在すると仮定される世界ではなく、空想である仮想の世界のゲームのキャラクターに転生など、どういうことだというような、設定の物語がライトノベル世界に
チートってなんだ?スキルはなんとなく分かる。モブ?妹に聞いたら、名前すら与えられない脇役のことだと教えてくれた。フラグとはなんぞや?プラグ?グラフ?フラッグ?意味が分からない。ゲーム用語を並べたてるなぁっ!と本を床に投げつけたい衝動に駆られた。(実際には、タブレット端末で壊れたら困るから、そんなことはしなかった。)
そんな『転生物語』について、私は怒りさえ覚えていた。
なんで、みんな転生物語を読みたいのか。私も転生物語を読んでみたが、なんとなく面白いけれど、お金を出してまで買わなくてもいいかな、無料で読めるなら無料でいいや、と思ってしまう。
丁寧に世界観も作り込んでいないし、既存の世界観の上に自分のストーリーを乗せているだけの、二次創作みたいな、なんちゃってファンタジーの世界なのだ。
しかし、読まれるには理由があるはずである。私は属に言う『書き専』であり、そして、今まで『転生物語』は一度も書いたことがなかった。だが、今や『転生物語』は外国のドラマにまで進出している。(転生するという部分において。)これは、のっぴきならない事態である。とうとう外国にまで進出したのだ。
人の心をつかむ何かがあるはずだ…!
転生物語、転生物語、転生物語…私は転生物語とは何か、しばらくそのことを考え続けていた。
そんなある日のことだった。
私はたまたま、NHKの『歴史秘話ヒストリア』を見ていた。その時の放送が『観阿弥と世阿弥』の話だった。いわずもがな、能の創始者の親子の話である。
私はそれを見て、はっとした。
(こ、これだ…!『転生物語』が人の心をつかむ、理由が分かった…!)
私は確信した。私はそれを見ながら、様々な謎が解けて、真犯人が分かったミステリードラマの探偵のように納得した。私の中では謎が解けたのだ。
私の考える『転生物語』とは何か、詳しく解説していこうと思う。
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